岡:だいたい、まず、車を持ってないとだめじゃないですか、ユーミンの歌だと。
小田嶋:そうそう。だからどんどんとハードルを上げていったのは、あの人ですよ。それで、笑うにしても、横顔で笑わないといけないんですか? みたいなものもあったでしょう。
「埠頭を渡る風」。1978年の名曲です。
岡:あの横顔って、やっぱり運転している横顔なんですよね。
小田嶋:喫茶店でそっぽを向いているわけじゃないんだよ。
岡:しかも右側だよ。右の横顔。
小田嶋:だって左ハンドルですからね。それでなぜ埠頭を渡る風が車にまで来るか、というとオープンカーなんだよね、あれ。
岡:間違いなくそうです。
小田嶋:だから関係ないんだよ、私らには。
岡:関係ない。駅前で定食を食べていたら。
怪人Yが明かした苦い思い出とは?

……(引き取れない)。で、今回は編集サイドからも「青春の音楽」を挙げてみましたが、「怪人Y」ことヤナセ某から高野寛「べステンダンク」という渋いラインナップが挙がりました。
小田嶋:あ、高野寛のは分かります。これは何て言うんでしょう、日本のミュージックシーンの中で、独特の不思議なカッコよさがあるんですよね。
「ベステンダンク」って、ドイツ語みたいですけど、タイトルの意味は何なんですか。
怪人Y:ドイツ語です、これ。ドイツ語で「ありがとう」の最上級なんですよ。それで何で僕が高野寛を挙げたかというと、俺の高校時代の同級生なんですよ。
小田嶋:あ、そうなの?
怪人Y:これはちょっと苦い思い出なんです。苦いというか、ちょうどサラリーマンになった年で、それで会社員生活が嫌で嫌で、しょうがなかったんですよ。会社に適応できないし、原稿も書けないし。
ここにも1人、諸問題を抱えていた人が。
怪人Y:それで、六本木のレコードショップでアルバムとかを見ていたら、新譜のジャケットに見た顔があり、「げ、タカノじゃん」と。で、その曲がいきなり「ザ・ベストテン」なんかのランキング上位に来て。
岡:それは・・・結構来るね(笑)。
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