小田嶋:だって「青春の読書」のところで挙げた本だって、もろ団塊が読んでいたものだったでしょう。

生まれたのは1956年だけど、メンタリティーとしては1940年代生まれ。岡さんは実は団塊の世代だったんですね。

:そういう言い方はやめてほしいんだけど、でも、まあ、そうかもしれない。

小田嶋:だって、こういう曲を選んでいるわけだから、もろ。

:いや、それは厳しいな、かなり。だって僕は団塊の世代を嫌っていますから。あの世代は、日本をだめにした人たちだから。

小田嶋:でも、実は自分もそれに近かったんだよ。

:違う、違う、僕は違う。何だろう、だから早熟? ってこと?

そういうことにしておきましょうか。

中学時代に孤立して背伸びしてました

クリエイティブディレクター 岡 康道氏
(写真:大槻純一)

:いや、だから僕は、何もやってないのに挫折している、みたいなことで、団塊と通じている。と信じたい(笑)。

小田嶋:俺ら同世代より、一回り早く成長しちゃったんだね。ということにしておくよ。

:うん。というのは、僕はあまりにも中学時代に孤立していたから。孤立すると背伸びをしていきますよね。それで、こいつらばかだから、と周囲を見なすようになって。

小田嶋:ああ、その視線は欲しくなりますよね。

:欲しくなる。だから周囲のやつらにはない視点、分かりやすく言えば、少し上の視点を手に入れようという。そこに半周り年上の従兄弟がいたりして、その従兄弟の影響もあったし。6~7歳ぐらい年上って、射程的には最も参考にしやすいんだよ。

小田嶋:そんなことを言っていたくせに、それで大学に入っちゃうと、コロっとアメフトの世界にハマっていくのがおまえなんだよ。

:そう。そのときはもう、鋭いタックルのことしか考えてない(笑)。

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