「日経ビジネス電子版」の人気連載コラムニスト、小田嶋隆さんと、高校時代の級友、故・岡康道さん、そして清野由美さんの掛け合いによる連載「人生の諸問題」。「もう一度読みたい」とのリクエストにお応えしまして、第1回から掲載いたします。初出は以下のお知らせにございます。(以下は2021年の、最初の再掲載時のお知らせです。岡さんへの追悼記事も、ぜひお読みください)
本記事は2013年9月5日に「日経ビジネスオンライン」の「人生の諸問題」に掲載されたものです。語り手の岡 康道さんが2020年7月31日にお亡くなりになり、追悼の意を込めて、再掲載させていただきました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
(日経ビジネス電子版編集部)
(前回からの続きです)
前々回と前回から続く「青春の音楽編」。それぞれのタイトルをもう一度ご紹介します。
「若者たち」(1966年) | ブロードサイド・フォー |
「いつもまでもいつまでも」(1966年) | ザ・サベージ |
「海は恋してる」(1968年) | ザ・リガニーズ |
「翼をください」(1971年) | 赤い鳥 |
「学生街の喫茶店」(1972年) | ガロ |
「Don’t Think Twice, It’s All Right」(1963年) | ボブ・ディラン |
「Happiness is a warm gun」(1968年) | ビートルズ |
「Pale Blue Eyes」(1969年) | ルー・リード |
「僕のコダクローム」(1973年) | ポール・サイモン |
「恋に気づいて」(1977年) | 浜田省吾 |
小田嶋:次はルー・リードにいくか、ガロに行くか。
岡:小田嶋のルー・リードに行きましょう。
小田嶋:ルー・リードの「Pale Blue Eyes」はヴェルヴェット・アンダーグラウンドのときの1曲。これは形の上では不倫の歌になっている。「あなたが結婚しているということは、我々は本当は恋人ではなくてベストフレンドということ。それは、とてもとても罪深いこと」みたいな、意味深なことを言っているわけ。
岡:どこが?
罪深い歌は昔から好きです
小田嶋:要するにこの歌は、妻がある男と付き合っているという歌なわけ。
岡:夫がある女と付き合っているんじゃないの。
小田嶋:不倫は不倫でも、もう少し複雑で、性的マイノリティーのルー・リードの気持ちが隠されている歌なの。だから、本当に本当に罪深い、と言っているの。
岡:何でこんな歌が好きだったんだよ。
そう、それが聞きたい。
小田嶋:この切なさですよ。
岡:俺は分からないな、それ。
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