クリエイティブディレクター 岡 康道氏
(写真:大槻純一)

:小田嶋が挙げたこの曲もそうだし、僕が前回に挙げた曲もそうだけど、「青春の音楽」というのは、今、直面している人生の諸問題についての歌ではなくて、これから始まるであろういろいろなことについての、想像の音楽なわけだよ。その代表が恋だったりするわけだ。


小田嶋:まだ始まってもないんだけどね。

:始まっていないんだけど、そういうことを考えるのが青春の時間なのよ。だって、これは未来の歌でしょう、当時の俺たちにとっては。

小田嶋:そうそう。女ともめているというのがちょっとあこがれでもあるわけ。

:そうだよね。もめたことがないんだから。だってもめる以前なんだからさ。失恋の歌だって、まだ恋もしてないから、失恋も何もないんだけど、いずれ付き合って、そして別れるであろうことを、あらかじめ感傷的に見ているみたいな。

「うん、馬になりたい?」「そうじゃない。鳥だよ」

小田嶋:それにしても中学生段階の話ばかりだね。

:そうだな、僕が挙げた歌も中学のときというか、下手をしたら小学校のときだもんな。

小田嶋:だから、あんまり成長しなかったんだろうと思うね。

そうですね。と、同意したところで、再び岡さんにターンを戻しましょうか。

小田嶋:そうね。一連の「若者たち」に続く岡の次の1曲は何かな。

<岡康道の青春の音楽・追加>
「鳥になりたい」(不明) 五つの赤い風船(?)
「学生街の喫茶店」(1972年) ガロ

小田嶋:ん、「馬になりたい」?

:馬じゃない、鳥だよ。「鳥になりたい」だよ。

馬になりたい、ってすごい読み間違いですね。

小田嶋:そうね。馬になりたいだと沼正三が出てくるね。

:全然別の方面になっちゃうじゃないか。

※沼正三=「家畜人ヤプー」を書いた人です。

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