岡:ボブ・ディランは「You wasted my precious time」って、君は僕のプレシャスタイムをウエイストした、と言っているね。
ひどい言い草じゃない?
小田嶋:ひどい言い草ですけどね。素晴らしい言い草ですね。
同席した男性陣:いい歌ですねえ。
何、それ。
岡:でもまあ、確かにあれだよね、好きだった人が嫌いになったら、その人と過ごした時間がもったいなかった、ということには、それはなるわね。
小田嶋:それはなるので。
岡:なるよね、それ。
小田嶋:俺ってドライブ用にテープを編集までしたのにな、って思うでしょう。
岡:うん。お金も失ったかもしれないけど、時間ですよ。
それじゃあ「一緒にいる」ことになりません!
小田嶋:時間と手間ね。
岡:それを避けるためには、一緒にいるんだったら、お互い、自分の好きなことをやっていればいいんだよ。それならまだしも納得できる。
それだと「一緒にいる」にはならないのでは。
小田嶋:ティーンエージャーの男と女の付き合いだと、たぶん男性側が勝手に引っ張り回されているんですよ。
よく分からない要求を突き付けられて、まごまごしていると、「何してるのよ」と言われる。でも、そう言われても意味が分からない。「何で私が怒っているか分かる?」とか腕組みされても、分からないわけだよ。
男性陣:ああ、いまだに分かりません。(と、みなが強くうなずく)
岡:だって言ってくれないし。
小田嶋:そう。それで「言ってくれないと分からないでしょう」と返すと、それは最悪の質問ということになるんです。
岡:そうらしいんだよね。
小田嶋:そう。「何で私が怒っているか分かる?」のシチュエーションで、分かったためしがない。
岡:ない。そういうときに「えっ?」と言って、痛い目に遭ったことはいっぱいある。
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