小田嶋:そよ風が僕にくれた可愛いこの恋を、といったポエムですね。

:そこ、何で笑ってるの、清野さん。これ、笑うような曲じゃないんだけど(怒)。

す、み、ません・・・(と、笑いをかみ殺す)

:これね、春、夏、秋と来て、最後に木枯らしと一緒に彼女がいなくなるんだけど、美しい1年の話なのよ。

小田嶋:最後に、「木枯らしが僕の可愛いあの娘を連れていった」って。

:そうでしょう。

それは青春より思春期のミュージックでしょう

だからこれも行きずり感の歌ってことですか?

:いや、これは普通の恋愛だよ。普通の恋だけど、1年かけて結果が出るという。

お付き合いは一応あったということなんですか。

:あったんです、夏は。夏は確か、彼女も「好きだ」と言ったんです。

小田嶋:ほら、言ってるじゃん、「湖に君と遊んだ二人だけの思い出」があって、「君も好きだと言った」だと。

:そうなんだよ。だから夏までは調子はよかったんだ。

小田嶋:でも最後は、「冷たい君のほほにやさしく口づけした あふれる僕の涙つきることなくいつまでも」で終わりだね。

:だから春に出会って、夏を過ごして、その後に失恋しました、と。でも、当時は失恋するまで1年はかかっていたんだよ。今はそのサイクルが2週間ぐらいになっているでしょう。

小田嶋:連れていかれたレストランを食べログで検索したら、星が少ないじゃん、ぐらいの理由で即、切られるでしょう。

:で、サベージのライバルだったのが、僕の記憶に間違いなければ全員早稲田のザ・リガニーズだったんだよ。

小田嶋:しかし、お前、古いな。俺と同世代とは思えない。

:何でよ。

前世の記憶のような選曲ですよね。

:何、まだ笑っているのよ。

青春というより思春期のミュージック。

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