小田嶋:70年代の私小説っぽいんだよ。もっと言えば、村上春樹のデビュー当時の小説にも、空気感がちょっと通じていて。
岡:似ている、似ている。
似ているかなあ?
小田嶋:この歌は「風の歌を聴け」より前ですから、もしかしたら聴いていますね、あの人も。ビーチボーイズだとかジャズだとかの話をしているけど、実はハマショーだったと。
岡:その可能性はない、とは言い切れないな。だって早稲田だし。
小田嶋:村上春樹は「ラブ・トレイン」を聴いていた、かもしれない。
岡:冒頭のキャッチコピーが1個、決まったね。
訴訟を起こされたりして・・・(心配)。さっさと次に行きましょう。
岡:次は時代的に言えば、たぶんザ・サベージか、ザ・リガニーズになるんですけどね。
小田嶋:これ、お前、マジで挙げてるの?ふざけてない?
岡:ふざけてないよ。
「清野さん、なに寝ているんですか!」
ザ・サベージの「いつまでもいつまでも」と、ザ・リガニーズの「海は恋してる」。ユーチューブ経由で聴いてみましょう。
小田嶋:清野さん、清野さん、なに寝ているんですか。
あ、いや、テンポがあまりに今じゃないもので、つい。
小田嶋:これはグループサウンズ以前のカレッジポップスといわれたジャンルですよ。
海を歌うってことは、湘南あたりのご出身とか?何となくお坊ちゃん臭が漂っていますね。
小田嶋:これは1966年のデビュー曲。って我々は10歳ですよ。ということは、小学校4年生か5年生。初恋のころですよ。
デビュー当時はジャッキー吉川とブルー・コメッツ、スパイダーズという人気軍団がいて、この後にタイガースが出てくる感じ。ビートルズの影響下の、髪の長い連中が出てくる前ですね。
しかし岡は、よくこれらのタイトルを恥ずかしげもなく挙げてくるね。
岡:いや、僕にとっては強烈なもんなんです。詩ですよね、詩。何て美しい詩なんだろうという。
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