「日経ビジネス電子版」の人気連載コラムニスト、小田嶋隆さんと、高校時代の級友、故・岡康道さん、そして清野由美さんの掛け合いによる連載「人生の諸問題」。「もう一度読みたい」とのリクエストにお応えしまして、第1回から掲載いたします。初出は以下のお知らせにございます。(以下は2021年の、最初の再掲載時のお知らせです。岡さんへの追悼記事も、ぜひお読みください)
本記事は2013年8月22日に「日経ビジネスオンライン」の「人生の諸問題」に掲載されたものです。語り手の岡 康道さんが2020年7月31日にお亡くなりになり、追悼の意を込めて、再掲載させていただきました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
(日経ビジネス電子版編集部)
前回までの「青春のTV番組編」に続いて、今回から「青春の音楽編」です。好き嫌いを超えて、青春の後ろで鳴っていた曲・・・TV番組もかなり恥ずかしかったけど、音楽はさらに恥ずかしい!
「若者たち」(1966年) | ブロードサイド・フォー |
「いつもまでもいつまでも」(1966年) | ザ・サベージ |
「海は恋してる」(1968年) | ザ・リガニーズ |
「恋に気づいて」(1977年) | 浜田省吾 |
岡:「青春の音楽」と言えば、僕の場合はまず「若者たち」ですね。
ユーチューブで再生してみましょう。
♪きみのー行く道はー、果てしーなく遠いー
岡:これ、ユーチューブで聞けるんだ。今ってすごいね。
小田嶋:うわ、これ、全員ユニゾン? あ、途中からハモりが入るけど、何というか、このダークダックスな感じ。
岡:黒澤明の息子の黒澤久雄がメンバーの1人。これは小学校のおしまいか、中学の初めかぐらいのときに聞いた曲なんだ。
レコードは1966年に発売されています。
「若者たち」には小学生の夢をかきたてる何かがある
小田嶋:俺の趣味ではないけれど、まあ、この歌を挙げたくなることは、分かる気がする。
岡:分かるだろう。これは外せないよね。
何がどう分かるんですか。

(写真:大槻純一)
小田嶋:これはだね、小学生の夢をかき立てる何かがあるんだよ。そんなにしてまで行くのか、若者たちよ…というあたりに。
岡:僕は中学か高校かのときに、「若者たち」という映画を見たんだよね。その映画のラストが、トラックに若いやつがたくさん乗っているシーンだった。肉体労働に行くのか、工場に行くのか、とにかく貧しい若い人たちが集まっていて、その背景にこの歌が流れる。それにもう、じーんと来ちゃって。
小田嶋:だからこれは若干、左がかった、ちょっと労働運動ミュージックなものなんだよ。
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