小田嶋:まあ、その後、俺はもう、代々木には行かなくなっちゃった。校舎が原宿の方に移ったから。
岡:というか、原宿の校舎だって行ってないでしょう。
小田嶋:いや、そうね、どっちにしても行ってなくてね。で、当時、友人Aが代ゼミで九州のやつとけんかしたんだよ。知っている?
岡:知らないよ。予備校でやったの?
小田嶋:うん、予備校で。俺は現場にはいなかったんだけど、エレベーターで降りるとか降りないとか、「どけ」とか「どかない」とか、そういうような会話があって、「うるさい、黙っていろ」式な流れの中でAが相手を。
岡:なぐったの?
小田嶋:なぐったの。そうしたら、相手もふらふらと倒れながらなぐり返してきて、1発ずついいパンチを入れて、引き分けられたんだって。そのとき、Aはすごい鼻血を出していて。
岡:あいつが?
小田嶋:うん。真っ赤になったワイシャツを洗って絞っている場面に俺は遭遇したのよ。「何やっているの?」と俺は聞いた。
ちょっとお間抜けなタイミング?
やおいですみません
小田嶋:まあ、見りゃ分かりますからね。それで、相手の方もけっこうなダメージを受けて、それからAの後を付け狙っていたらしいのよ。

(写真:大槻純一)
岡:あいつって、親が公務員関係じゃなかったか。
小田嶋:そうそう、だから基本、そんなに不良でも何でもないから、続きはやりたくないわけよ。でも向こうは武闘派だったからさ。
岡:向こうは本気だったの?
小田嶋:本気の方のやつだったらしくて、それであいつは予備校に行かなくなっちゃったんだよ。
岡:それで2浪したわけか。思い出したけど、別のやつがボディガードみたいにして付いていなかったっけ、柔道部の。
小田嶋:後にAは大きな組織の人になるんですけどね。それで、「傷だらけの天使」のすぐ後に「前略おふくろ様」が、続いてあったでしょう。
あの、Aの話はどう落ちるんでしょうか?
小田嶋:ん。これでおしまいだけど。
え?
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