「日経ビジネス電子版」の人気連載コラムニスト、小田嶋隆さんと、高校時代の級友、故・岡康道さん、そして清野由美さんの掛け合いによる連載「人生の諸問題」。「もう一度読みたい」とのリクエストにお応えしまして、第1回から掲載いたします。初出は以下のお知らせにございます。(以下は2021年の、最初の再掲載時のお知らせです。岡さんへの追悼記事も、ぜひお読みください)
本記事は2013年8月1日に「日経ビジネスオンライン」の「人生の諸問題」に掲載されたものです。語り手の岡 康道さんが2020年7月31日にお亡くなりになり、追悼の意を込めて、再掲載させていただきました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
(日経ビジネス電子版編集部)
みなさま、大変お待たせいたしました。五十路を越えた高校時代の同級生のゆる~い会話から、ネット時代を生きるオヤジたちの哀愁を描く「人生の諸問題・シーズン4」の続き(1年経ちましたけれど)がいよいよ、ようやく、始まります。最近、連載担当編集Yは、日経ビジネスオンラインきっての売れっ子となった小田嶋さんの原稿取りに苦心中です。まずはそんなところから。
編集Y:岡さん、あの後、勝ちましたか?
岡:あの後って、マージャンのこと?
編集Y:はい。

岡:勝ちましたよ。編集Yさんは、オダジマから原稿を受け取ったらそそくさと帰っていったよね。
編集Y:お。だったら小田嶋先生は沈んだんですか。
岡:いやいや、小田嶋が一番勝ちましたよ。だって、小田嶋が負けたらやばいって、みんな何となく気を使うでしょう?
編集Y:あははは。いや、勝ち負けはともかく、私は一度、雀荘まで押しかけて、作家の先生から玉稿をたまわる、ということをやってみたかったんです。
岡:あの雀荘は餃子がうまいのよ。せめて餃子を食べてから帰ればよかったのに。
編集Y:いえいえ、私には入稿という仕事が待っておりまして。その足で編集部に戻り、小田嶋先生のページを作成しなければなりませんで。
岡:小田嶋が相変わらず、迷惑をかけています。でも、細かいけれど、いつから小田嶋は「小田嶋先生」になったの? それ、もちろんシャレだよね。
編集Y:いやいや、私は真面目です。小田嶋先生、今日もお原稿をいただきにまいります。
さて冗談はこれぐらいにして、しばらく間が空いてしまった「人生の諸問題・シーズン4」の続きを開始したいと思います(前回から読む)。
ファンのみなさまに支えられている「人生の諸問題」ですが、連載開始(第1回はこちら)からすでに6年近く、そろそろネタが尽きつつあります。そこで苦肉の策として、「シーズン3」で論じた「青春の読書」「青春の映画」に続き、「青春のテレビ番組」というテーマを設けてみました。スタート当初から追求中の命題「メディアと表現」を論じていくことは、果たして可能でしょうか。(カーン、とゴングの音)

(写真:大槻純一、以下同)
岡:僕はね、テレビ番組といえば「快傑ハリマオ」ですね。というのは、小さいころの写真が、だいたいハリマオの格好をしているんだよね。まだ日本が貧乏なころだからさ、風呂敷がマント代わりなんだよ。
小田嶋:風呂敷とサングラスで、頭にタオルを巻いたりして、月光仮面にもなる。子供の変身願望の極みですね。
岡:歌はね、三橋美智也が歌っていたんだよ。
小田嶋:そう、こぶしが回っていて。
岡:「真っ赤な太陽~、ハリマオ~」ってやつ。
小田嶋:その辺の歌ってね、死ぬほど覚えている。
岡:そうそう、覚えているね。
小田嶋:あれ、驚くべきことに今でも歌える。(いきなり盛り上がって、歌いたがるおバカな2人は56歳)
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