小田嶋:あいつが主人公だったでしょう。ギークが、まさにジョックの典型であるところのウィンクルボス兄弟というのを、手もなくやっつけていくという話で。

:アメリカも変わってきているということなんだ。

小田嶋:だって「ビバリーヒルズ青春白書」の後の、2000年代の「HEROZ/ヒーローズ」には、マシ・オカ君というナード、しかもジャパニーズがヒーローとして登場しているんだよ。

:ギークってどんなやつなの?

小田嶋:だからITオタク、ハッカーですよね。

:ハッカーね。ナードは?

小田嶋:もっとコミュニケーション能力を持ってないタイプのオタクみたいな。たぶんそれを最初から描いていたのはティム・バートンですよ、映画でいうと。ティム・バートン自体がナードだし。

クリエイティブディレクター 岡 康道氏

:相当ナードなことは分かる。

小田嶋:それで、マッチョに行きたいけど、なれないナードがタランティーノですよね。

:なるほど。

小田嶋:だから、そんなに単純にジョックだけがヒーローだったような時代は、もうアメリカの中でも終わりつつあるんだな、と。

:でも、ザッカーバーグの話でいうと、ウィンクルボス兄弟も、何十億円かの株券はゲットしているからね。

小田嶋:そう、ただ、ごねただけで。ごね得なのに、まだごねていて、「お前ら、いいかげんにしろ」と言われていてさ…。

中二病やめますか、大人になりますか、それとも「とんぼ」歌いますか

ということで、今回のお話では、岡さんも小田嶋さんも中二病だということが分かりました。

岡・小田嶋:え…そうですか?

今までも分かってはいましたが、ちゃんとカムアウトできましたね。

小田嶋:いや、ちょっと中二病とは現れ方が違うんだけどね、むにょむにょ。(と、往生際が悪い)

それを克服しようとは思わないんですか。

:もう無理ですね。(と、開き直る)

自分が中二病だという自覚はありました?

:まあ、言われてみればそうですよね。いや、何となくありますよ。

小田嶋:だから、だいたいあるところで成長が止まった部分って、それは本当は直らないよ。

:直らないよね。

小田嶋:ちゃんと組織で揉まれた人間は、そこのところは角が取れていくのかもしれないけど、そこを嫌だ、と言って俺も岡も組織から出ちゃった人なわけだから、その中二的な変な角がちょこちょこ、ちょこちょこ出るわけでしょう。

:もう取れないですよ。

小田嶋:だって日本で中二病から離れたおじさんって、東電の社長とか、民主党の上の方のおじさんとか、ああなっちゃうんですよ。

:あれか、中二病か、といったら、こっちしかない、選択肢が。

小田嶋:あるいは間違えた病気の守り方としては、長渕剛みたいになっちゃうとか。

:なっちゃう(笑)。

小田嶋:長渕にならない、というのも、これはこれでなかなか難しいことなんだけど。

というような数々の言い訳で「グッド・シェパード」をめぐる脱線は終わりたいと思います。

(映画編、続く予定)

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