:そういう合理的な仕組みが、そもそも日本の球団にはないんだよ。

高木:ない。今シーズンの16人の補強が成功か、失敗かといえば、まるっきり失敗です。しかも放出した吉見がロッテに行って6勝しているんだから。

:今どき貴重だよ、6勝できるピッチャーって。

高木:ロッテに行って6勝できる人が、なぜ横浜だとできなかったんだ、という話ですよね。そうしたら教え方や起用の仕方に問題があったということじゃないですか。

なるほど。

高木:そうなってくると、じゃあ、誰の責任なんだ、と。

監督――よりも、もっと上の人たちですか。

「あの、これは、プロ野球なのでしょうか」

高木:監督もひっくるめて全部です。だけど、責任の所在を明らかにするシステムが、まったく出来上がっていなかった。

クリエイティブディレクター 岡 康道氏

:スカウトの布陣、編成、監督、教育システムすべてが機能していなくて、これだけ若手が伸びていなくて、しかも結果は最下位、というふうになれば、普通の会社だったら全取っ換えでしょう。少なくとも経営陣は全員、退陣するような状態だったんだけど、何も起きなかったんだよね。

高木:昨年だって球団の社長が代わり、監督も代わり、それに伴って何人かのフロントが代わったんだけど、聞こえてくる声は、これ、去年よりひどいんじゃないか、というものだった。

:ひどかった。だって投手出身の監督が来たのに、防御率が昨年よりも上がってしまったんだもん。これじゃあもう、話にならないよね。尾花監督はバッティングのことは分からない。だったらピッチングの布陣だけでもよくしてくれないと話にならないんだけど。

高木:ピッチングの布陣どころか、1塁ベースに誰一人、全力で走らないですからね。内野安打のチャンスのときだけ走って、走ったら肉離れを起こす選手もいる。

それ、プロ野球なんですか。

高木:・・・答えに詰まりますね。

:行き当たりばったりのチームなんだよ、簡単に言えば。

昔から球団の特徴として、核がないチームだったのでしょうか。

勝てなくても、面白くはできるのに

:昔――それこそ高木がいたころは、高木、屋舗要、加藤博一という俊足の3人を、「スーパーカートリオ」って監督がネーミングして、その3人で150盗塁をするぞ、みたいになっていたよね。優勝はできなかったけど、あれはやっぱり特徴的だったよね。

高木:少なくとも面白かったですよね。

:あるいはかつての近鉄みたいに、全員とにかくフルスイングをする。バントなんかやらないぞ、と。そうしたら「いてまえ打線」とかいわれて、それはそれで面白かった。面白ければ、それはプロ野球としての価値はあるということですよ。

いつぐらいから、そういう面白さがなくなってきたのでしょう。

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