小田嶋:そうそう。それでもテスト前に、普段はロッカーに突っ込んである教科書を家に持って帰れば、まだいいんだけど、「テスト前だからって、教科書を持って帰るなんてカッコわるっ」と言われると嫌だな、と思って持って帰れなかったよね。

いや、メンドくさい。誰も見てないってば。

:中2病ならぬ、高2病だよね(苦笑)。

岡さんはどうだったんですか。

:持って帰っていましたよ。僕は内申書はよかったですからね。

小田嶋:岡の不思議って、そんなに実力がなかったのに、成績がよかったことですよ。

:そうなんだよ。だって俺、予備校の模擬テストでは、英語が1問しか合っていなかったから。それって0点の次ってことでしょう。だから偏差値が、これ以下はないっていうくらい低かった。

小田嶋:29くらいか?

:17くらい。

それ、偏差値じゃないですね。

小田嶋:そういう中で、試験範囲が決まっている学校の中間、期末では、すかっと点を取るのが、ちょっと上手だったのよ。

:僕は忘れやすいタイプだったんだね。だって一夜漬けで丸暗記して、一度は覚えているんだよ。でも最終的には何もかも忘れちゃって。

小田嶋:俺は結果として、高校3年間、最後までクラス45人中45番でした。

:下の方の7、8人はみんな、似たようなもんだったけどね。

小田嶋:下位10人ぐらいは大差ないんだけど、45人中42番とか43番というのも落ち着かないし、この際だから一番下にいようかな、潔く、みたいなことですよ。

:まあ、僕だって一般的な試験をやらされた場合はさ……。

謎の英単語記憶法

小田嶋:岡はね、英語とかがちょっとまずかった。

:まずかったでしょう。じゃなかったら、北海道大学の入試で、「アリ(アント・ant)」を「おばさん(アーント・aunt)」とは間違えないよね(笑)。(おなじみのエピソードは、「人生の諸問題」シーズン1・2007年10月12日にプレイバックしてください。こちらから。)

文京区役所に日が傾き始めました。

小田嶋:お前は変な勉強をしていただろう。「英単語連想記憶術」というね、ばかな参考書。

聞くからに怪しいですね。

小田嶋:例えば「ラメンタブル(悲嘆の・lamentable)」を、「ラーメン食べる、悲しい受験生」とかって覚えるやつ。

:ああ、あった、あった。

小田嶋:岡はあれを完全に暗記していて、載ってない単語は、人に作らせていたんだよ。近くにタケダという名人のやつがいて。

:タケダは小石川の同級生じゃなくて、同じ中学出身の不良の麻雀仲間だったんだよね。だからタケダにやらせるのは、基本的にムリがあった(笑)。

小田嶋:タケダの作ったのって、くだらな過ぎて、俺、まだ覚えているのがある。「歯にしっかり備え付けた1万点棒」という、よく分からないやつ。

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