小田嶋:上から下までちゃんとアイビー、というわけにいかないのよ。だから、シャツのボタンダウンだけアイビーとか、コットンパンツのすその折り方を何センチにするかというところだけアイビーとか。裾は割と厳しくこだわっているくせに、靴が全然違うとか。
岡:「MEN'S CLUB」的な、石津謙介的なことを参考にしてやるんだけど、上から全部そろうことはまずなかったね。
小田嶋:だって、当時の高校生にとって莫大な金額でしょう。
岡:それで、ちょっと悪いというほどでもないけど、カッコつけた方の人たちは、コンチというのがあったね。
小田嶋:はいはい、コンチネンタル。ショーケンとか、要するに菊池武夫のBIGIの始まりですよね。そのコンチの連中がディスコに行き始めていた、という感じのころです。
どこのディスコに行っていたんですか。
小田嶋:当時、新宿にアダムズアップルという店があったのと、あと名画座ミラノという映画館の隣に、カンタベリーハウスというのがあった。
あのダサいディスコですか?
ポニーテールに振り向いて
小田嶋:そうそう、ものすごくダサかった。そもそも出てくる酒がね、デカンタに入って出てくるの。だから得体が知れないわけ。何か赤い色をした酒なんだけど……。
ほかのフロアの飲み残しを混ぜたような。
小田嶋:どういう酒なんだろうと言いながら飲むと、すごい悪酔いするの(笑)。あと新宿には怪人二十面相という店もあった。知らない? 「アメリカン・グラフィティ」な感じの、ツイストを踊る感じの落下傘スカートの女の子たちがいるところ。
シックスティーズですか。ポニーテールにフレアスカートにサドルシューズという。
小田嶋:それそれ。そういった女の子たちが、俺、大好きだったの。
(ちょっと引く)
小田嶋:それに合わせるために、俺はコカ・コーラのお兄さんみたいな、カッターシャツみたいな、アロハシャツの柄がいいやつみたいなシャツを一生懸命、買っていた。
(引きながら)付き合っていたの?
小田嶋:いや、付き合っていたわけじゃない。そういうところでナンパしようと思って行って、ナンパはするわけ。だけど、その場でお茶を飲むぐらいのところまではいくんだけど。
後は、じゃあ、さようなら、と。
小田嶋:じゃあ、さようなら、と。
岡さんはディスコに行っていましたか。
岡:行っていませんでした。
(この話題、終わる)

岡:裏門に何があるかというと、ここを出たところに雀荘があったんですよ。
そういう思い出ですか。
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