小田嶋:批判している人は、「フォローしない」にして、勝手に閉じられるの。
岡:ブロックできるの?
小田嶋:できるんだよ。ツイッターをやってる自分が、「この人のフォローは面白いから読むようにしよう」と登録したフォローだけ、読めるようになっているんだけど、読まれる方はそれを拒否できるわけ。例えば俺のツイッターのフォロワーの1人が「小田嶋の書いているもの、最近くだらないよね」と言いだしたら、「お前のツイートは二度と見ない」と言って、バツにしちゃえばいいの。そいつが俺のツイッターを読めないようにすることもできる。
岡:だってそいつは小田嶋のフォロワーなんでしょう。
小田嶋:俺のフォロワーであっても、俺がそいつをフォローしなきゃ、そいつの書いたものは俺には見えない、という仕組みになっている。
「鏡よ、鏡。この世で一番…」
岡:だったら、そいつが勝手に、別のいろいろなところで言い出す可能性はあるよね。
小田嶋:可能性はあるけど、俺には聞こえないからいいわけ。どこかの知らない街のスナックで俺の悪口を言っていても構わない、と。

岡:あれ、芸能人だけじゃなくて、企業のトップなんかもやっていると聞くんだけど、まず企業のトップがやったら、社員はそれを強制的にずっと追わなきゃいけないだろう。
小田嶋:そうそう。
岡:だから、なんてことをしてくれているんだろうかと、まず思うんだけど。それと、「社員じゃなくて、一般の人の声を聞けるんだ」といっても、ツイートする人は絶対、100%本当のつぶやきはしないよね。
小田嶋:そうそう、そうですよ。
岡:それは自社の利益を得るためにファンを増やすとか、その中から何かビジネスのチャンスを得ようとか思っているわけでしょう。ということは、お互いにそんなに率直なものであるはずがないじゃん。
演じていますよね。
岡:演じているでしょう。
小田嶋:だから裸の王様生産装置になっているんですよ。
孫さんがツイッターをやるのはある意味当たり前
岡:なのに、何でみんな孫さん(孫正義・ソフトバンク社長)のツイッターをフォローしているの?

小田嶋:孫さんは、おそらく商売でiPhoneを売りたいからやっているという部分がすごくあって、その宣伝の仕方はあまりにも何を言っているんですか、という感じなんだけど、まあ孫さんがつぶやくのは俺は分かる。ツイッターが盛り上がれば盛り上がるほど、読み書きに便利なウチの端末が売れる、ということがあるわけだから。
岡:そうだな。
小田嶋:だから、そこは認められるんだけど、それ以外のプチ有名人がツイッターにハマるのは、やっぱりそいつらの許に称賛の声だけが届くうまいシステムだからですよ。
岡さんはやっていらっしゃらないんですよね。
岡:もちろんやってないですよ。
自分のつぶやきには、狂気が混じる
小田嶋:岡がやっていたら、結構気持ちいいと思うよ。
岡:うーん。
小田嶋:称賛だけ聞こえてくる。
岡:つぶやきたくもないし、人のつぶやきなんて興味もないし。というか、自分の本当のつぶやきなんて気が狂っているからさ、そんなの世の中にさらせないわけじゃない。
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