全9837文字

外国人観光客から高い支持を受ける体験型プログラムが岐阜県飛騨市にある。飛騨古川の里山をサイクリングや徒歩で回るツアーを提供する「SATOYAMA EXPERIENCE」がそれ。一見、何の変哲もないツアーに見えるが、世界屈指の旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」で外国人観光客の満足度100%獲得という快挙を達成した。株式会社美ら地球の山田拓社長は外資系コンサルティングファームを退職後、夫婦で2年間の世界一周旅行を経験。帰国後に飛騨古川へ移住し現在の事業を立ち上げた。「SATOYAMA EXPERIENCE」がなぜ、そこまで外国人観光客を引き付けるのか、その秘訣を聞いた。(聞き手は村山慶輔)

◇株式会社美ら地球(ちゅらぼし)

「クールな田舎をプロデュースする」を標榜。「日本の田舎」を求める外国人観光客向けツアープログラム「SATOYAMA EXPERIENCE」を運営。多彩なプログラムの中で「飛騨里山サイクリング」はリリース時からトリップアドバイザーで優良施設認定を受け続けるほか、グッドデザイン賞(2013年)、環境大臣賞(「五感で感じるまち大賞」、2011年)受賞など多方面から高い評価を受ける。近年は外国人受け入れやエコ・ツーリズム推進、地域資源を活用した新規ビジネス立ち上げ支援など、BtoB事業にも力を入れ、地方再生のリーディングカンパニーを目指す。

【会社データ】
設立:2007年 資本金1000万円 従業員数:12名
株式会社美ら地球
SATOYAMA EXPERIENCE

山田拓(やまだ・たく)氏
株式会社美ら地球CEO、総務省地域力創造アドバイザー。1975年奈良県生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科修了。外資系経営コンサルティング会社退職後、足かけ2年にわたり世界のツーリズムを学ぶ旅からの帰国後、岐阜県・飛騨古川に移住。古民家を滞在型オフィスに転用した「飛騨里山オフィス」など、里山や民家といった地域資源を活かしたツーリズムを中心に数々の地域再生活動をプロデュースする。創業後も海外旅行は欠かさず、訪問した国は約40カ国、国立公園は60施設を超える。2012年地域づくり総務大臣表彰にて個人表彰受賞。

夫婦で2年に及ぶ世界一周旅行

世界一周の旅路。夫婦でタンザニア、キリマンジャロ登頂(写真:美ら地球回遊記)

村山:経営コンサルティング会社出身の山田さんが、美ら地球立ち上げに至った経緯を教えてください。

山田:経営コンサルティング会社就職後、すぐにニューヨーク勤務となりました。その後、米国以外の国も知りたくなり、フランスの経営コンサルティング会社に転職。30歳を前にさらに広く世界を見たいと思い、夫婦そろって世界一周の旅に出ました。足かけ2年、世界の田舎といわれる南米・アフリカを中心に29カ国を回りました。私達の旅のスタイルはまさにバックパッカー。結局、全525泊のうち271泊は持参したテントが宿でした。