小田嶋:年齢というのは不思議なもので、ある時期に年齢について考えなくなっちゃってから、ふと気付くと、急に5年ぐらいたっちゃっていたりするでしょう。

:考えたくないからね、そんなこと。基本的にどうでもいいことだと思いたい。でさ、鏡と同時に、髪の有無もけっこう大きいことなんだ。

小田嶋:俺が気が付いたのは、去年ダイエットをして、一時期10キロ落としたのよ。

:へえ。

小田嶋:だけど、また戻ったんだけど(笑)。8キロぐらい戻ったから、結局2キロぐらいしかやせてないんだけど、でもその10キロやせていた間に、いいことがあったのかどうかというと、明らかに髪の毛が薄くなっていたね。

:そうなんだ。

小田嶋:それで、あ、薄くなったな、と思ったんだけど、太り始めたら少し戻った。だから、あんまりいい歳をした人間が、やせるのうんぬんの、というのは、いろいろな意味で、ろくなことがないな、と思った。

「岡さん・頭頂部が・やばいですよ」

:確かに俺たちの同年代で、自然にやせていったやつって、死んじゃったりしているものな。

小田嶋:最初はダイエットに成功したんだよって、いい気分になっていたやつが、最終的に深刻な事態を迎えていることは多い。

:思い出したよ。僕、36とか37歳のときに、部下から「ちょっといいですか」って言われたことがあったんだよ。「岡さん、頭頂部が、やばいですよ」って。

一同:えーっ?

:えーっ? でしょう。それは自己イメージにもないし、とにかくあり得ない、と思って、鏡をこう、いくつか組み合わせて、頭頂部を見てみたわけ。すると確実にこれ、ザビエル型になっている、と。

小田嶋:本当?

:それで、これはまずい、ということで、その日からジムに行くようにしたんですよ。それでものすごく体を鍛えたら、半年もたたないうちに……

(髪、生えるや、生えざるや? で次回に続きます)

(写真/大槻 純一)

人生2割がちょうどいい』発売開始!

「オカ、大丈夫か……!?」
「オダジマ、終わったな……。」

停学、父破産、就職、転職、失業、起業、結婚、離婚、子育て、アル中、禁煙、……。

クラスメートだった名CMプランナーと名コラムニストはそれぞれの『人生の諸問題』にどう対処したのか、あるいは対処できなかったのか。

一生懸命になるな。無駄な努力は、かえって危険。
不運だってネタにしてしまえば乗り越えられる。
いろいろあるけど、「人生2割」でやっていければちょうどいい。

凹みがちなこの時代に贈る
「頭のいいひと同士の、とってもおバカな、でも本当のお話」。
書籍であらためてご堪能あれ!

アマゾンでも発売中!→こちらからどうぞ
(※いまもって人気集中で、アマゾンでは在庫が切れがちです。どうかお近くの書店からのご注文もご検討くださいませ。そのほか、ネット書店さんでは以下がまだ在庫をお持ちのようです)

■bk1 →こちらから
■楽天ブックス →こちらから
■セブンアンドワイ →こちらから

(「人生の諸問題 令和リターンズ」はこちら 再公開記事のリストはこちらの記事の最後のページにございます)


「人生の諸問題」は4冊の単行本になっています。刊行順に『人生2割がちょうどいい』『ガラパゴスでいいじゃない』『いつだって僕たちは途上にいる』(以上講談社刊)『人生の諸問題 五十路越え』(弊社刊)

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

この記事はシリーズ「もう一度読みたい」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。