小田嶋:俺なんかはそういう場所にあんまりいないけど、敵を作らないと味方もできない、というところはあるでしょう、ビジネスをやっているとね。

挑発癖は昔からなんですか。

:昔からです。

小田嶋:そうです、昔からですよ。

:中学生ぐらいから。

小田嶋:いや、もっと遡るんじゃないか。ジャイアン時代からね。

:小学生からか。でも、ジャイアンほど無邪気でもないんだけどね。だって、反応まで予想してやっているんだから。

小田嶋:お前はフィジカルがジャイアンなのに、メンタルはスネ夫だという。最悪だよね。

:確かに最悪だな。それでいうと、小田嶋はシニカルなドラえもんみたいな感じだよね。

小田嶋:それも笑えないね(笑)。それで、電通の人の中で、岡のことを評価していた人もいたんだよ。

:何で、お前はそれを今まで言わないんだよ。

小田嶋:そうだね、今、思い出した。

本になる前に言えよ。あれだと、ただ、嫌われていた、みたいな話になっちゃうじゃないか。

小田嶋:「いや、岡だろ、知っているよ」って好意的な人が電通にもいたよ。ただ、ちょっと変わった人だったね、その人は。その人も小石川高校の出身だったのかな。

前回の民主党大敗の理由

小石川高校は人材が豊富ですね。『人生2割がちょうどいい』も、鳩山由紀夫さん、小沢一郎さんというOBの方々に読んでいただけるといいですね。

小田嶋:民主党の推薦図書にしてもらってね(笑)。

:あの鳩山家の一族って、全員東大なんだってね。

小田嶋:東大がデフォルトという、とんでもない家なんだよね。特に由紀夫じゃなくて、邦夫の方は、代ゼミかどこかで3年連続トップだったとか、とにかく病的なまでの学力だったらしいんだ(笑)。

:民主党はね、前回、大敗した総選挙の時にTUGBOATが宣伝を担当していたんだよね。例えば、アメリカの選挙キャンペーンも広告屋が絡んでいるみたいだし、これはちょっと面白いことができるかな、なんて思っていたわけ。

小田嶋:あの、小泉による郵政民営化の時に?

:そう。小泉純一郎は、とってもシンプルに民営化、それだけ、と絞っていたから、論点ははっきりしていた。それで、民主党の党首だった岡田克也さんには、向こうの戦略はこうだから、こちらもシンプルに選挙を戦いましょうと提案した。

 ところが岡田さんがいわく、「政治というのは複雑なものです。その複雑なものをシンプルに表現したら、これは詐欺です」と。それで僕も、いや、この人、本気なんだな、と信念を感じて、複雑なまま広告にして、大敗しちゃったわけです。

小田嶋:あの時はもう流れからしてさ、小泉純一郎の個人的なパフォーマンスで、すでにやられていたわけだよね、日本国民は。

:やられていた。

小田嶋:だってしょうがないよ。あいつ、何か困った時に、「人生いろいろ」とか言って、すかっと逃げるのが猛烈にうまいんだもん。

:天才だもん。

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