あまり孤独だとも思えないですが。

:いや、基本的には孤独です。だって、友達とか仲間がいると、自分を見つめる時間もないわけです。友達がいると、時間は取られるし、本は読めないし、演劇とかも見られないし、恥ずかしくて桜桃忌にも行けない。だから、友達がいなくたって俺は別にいいや、極端に言えば、友達はいなくたって大丈夫、と。

 だから青春時代に一番よかったのは、俺は友達なんかいいや、と思ったことですよ。孤独だから、うまくいかないことも多かったけれど、うまくいかないことも含めて、よかったと思うんだよね。

一同:(傾聴)。

:いや、別に悔し紛れに言っているわけじゃないよ。

小田嶋:誰も突っ込んでないよ。

:そうか。それで、俺は友達もいないんだな、と思っていると、同じようなのが出てくるんだよね。そうしたら友達になればいいと思うんです。

それが小田嶋さんだった、と。

:まあ、そうですかね。

この際、いいか悪いかは問わない、と。

:うん、問わない。ただ、そういう友達は今も友達じゃないですか。だけど、中学の野球部の連中なんてのは、練習が終わって、一緒に銭湯に行って、チェリオか何か飲んで、夕飯ぎりぎりまでたむろって、と、つるんではいたけど、今やすっかり友達でも何でもないわけだよ。しかも僕は途中で、それ、くだらねえな、と思って外れちゃったから、すでに中学時代から仲間と疎遠になってましたけどね。

小田嶋:野球部でピッチャーをやっていて、勉強もできて、というのは、うっとうしいやつだよね。

:それが才能だったらうっとうしくないんだろうけど、僕は努力によって成り立たせていましたからね。まあ、声を大にして嫌がっているわけじゃないんだけど、結局、すごい嫌がられていましたね。

どこかで嫌われることは、実は必要なこと

小田嶋:岡はね、あるサークルではもちろん嫌われているんだけど(笑)。

:何だよ。

小田嶋:だけど、どこかで嫌われているということが必要だったりするんだと思うよ。あきらかに岡を嫌っているという層は、必ず各時代にいたはずなんですよ。ほら、この対談でも出てきたでしょう、俺が四ツ谷のスナックで会った電通のやつとか。

「岡康道? ああ、あの頭のいいやつね」という、冷たい言い方をなさった方ですね(こちら)。

小田嶋:「あの頭のいいやつ」という言い方が何とも言えないでしょう。ああ、岡はやっぱり余計なところで人をやり込めているんだな、と思った。

挑発はしているんだろうな、という感じはします。

小田嶋:たぶん挑発って、面白いと思うんだよ。

:面白いよ。でも嫌なんだよ、誰かが自分のことを嫌っているという情報は、ものすごく嫌なものなんだよ。でも、何か、やめられないというかさ(笑)。

小田嶋:クォーターバック的にはあれでしょう、フォーメーションを裏切って変な球を出す、みたいなところですよ、きっとね。

:どうなのかな。ただ、敵対するものを怒らせた時に、味方は喝采するんですね。そういうことがなければ、喝采なんか受けない。だからじゃないかな。だって、みんなから好かれるなんていうことはないんだもん。ないんだったら、仲間から喝采を受けるために、もともと味方じゃない人をやっつけちゃったっていいわけだよ。

一同:(うわっ。)

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