第1に、ブレストでは「アイデアが出ないことを恐れない」ことでしょう。そもそもブレストとはアイデアを出しにくいものなのです。ブレスト中に「アイデアを出さねば」とプレッシャーを感じたり、「良いアイデアが多く出なかった」とガッカリしたりする必要はない、ということです。

 第2に、ブレストをプロジェクトの初期段階ですることも重要かもしれません。そもそもブレストには組織の記憶力を高めたり、価値基準を共有したりする役割があるのですから、早めの方がいいはずです。

「ブレストだけで終わらない組織作り」を

 最後に、「ブレストだけで終わらない組織作り」も重要でしょう。そしてそのためにこそ、ブレストをうまく活用すべきなのかもしれません。たとえばありがちなのは、「日頃社員間の交流が乏しい組織が、突如人を集めてブレストを一度やっておしまい」というパターンです。

 しかし、これはトランザクティブ・メモリーやメンタルモデルを共有する視点からは、かけ離れたやり方です。そうではなく、企業内から多様なメンバーを幅広く募って、メンバーを入れ替えながら何度もブレストをする方が、長い目で見ると記憶力が高くクリエーティブな組織作りに結びつく、と言えるのかもしれません。

 このように、「アイデアを出す」のが目的のブレストですが、真の効能はそれ以外のところにあるのです。ブレストをするみなさんは、「アイデア出し」だけにとらわれず、ぜひこういった裏の効能を意識してみてください。

 (この記事は日経ビジネスオンラインに、2014年4月30日に掲載したものを再編集して転載したものです。記事中の肩書きやデータは記事公開日当時のものです。)

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