「利休の七則」

 ホスピタリティー産業に従事していない人にとっても「感じの良さ」はビジネスで成功する秘訣です。自分が「感じがいいなぁ」と思っているときには、たいていほかの人もそう思っているもの。「感じのいい人」は、営業や顧客サービスで成功するのは当然。また社内においても、物事がスムーズに進みます。

 「いい感じ」を表す英語はいくつもありますが、その1つに「グレイシャス(gracious)」があります。丁重で上品で親切。しかもこの言葉はあくまでも「主」が「従」に対して持つ気持ちなのだそうです。そうだとすると、ホスピタリティーの原義に近いようにも思えます。

 「おもてなし」を説いたのは千利休。利休には「七則」と呼ばれるものがあります。その締めくくりの言葉は「相客に心せよ」。

 おもてなしは、相手の気持ちに気づいて気配りをすること。相手がしてほしくないサービスやしてほしくないときのサービスは「要らないお世話」。自分のことばかり考えている人は「感じが良い」とは言われません。

 ホスピタリティー、おもてなし、感じの良さ──。これらに共通するのは、相手に対する細やかな配慮に尽きるのではないかと思います。

 (この記事は日経ビジネスオンラインに、2013年7月30日に掲載したものを転載したものです。記事中の肩書きやデータは記事公開日当時のものです。)

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