この枠組み以外にも、中島孝志氏の「仕事ができる人の質問力」(三笠書房)など、質問力の本にいろいろと紹介されています。

 例えば、中島さんの本では、以下の6つが紹介されています。

  1. 論理的に考える「どうしてそうなるのか?」
  2. 分析的に考える「なぜなんだろう?」
  3. 多角的に考える「もうこれ以上できないのか?」
  4. 肯定的、建設的に考える「もっと発展させるにはどうしたらいいか?」
  5. 否定的、破壊的に考える「これではダメでは?」
  6. 懐疑的に考える「なんとなくおかしい?」

 自分が使いやすい枠組みを学んで、応用してみてはいかがでしょうか。

絶対にしてはいけない質問

 最後に、地雷となる質問のパターンをご紹介します。

 第一にあげられるのは、ネガティブ・クエスチョンと呼ばれる相手を否定する質問です。「なんでできないんだ?」「なんでうちの会社はダメなんですか?」などの質問は、相手の思考を止めてしまいます。できるだけ、「どうやったらできたか?」というポジティブ・クエスチョンに変えます。

 刑事ドラマに出てくるような、矢継早にいろいろと質問する尋問タイプの質問もよくありません。部下にしている人をたまに見かけますが、「なんで?」「どうして?」「で、結果は?」など、一方的にいろいろと聞かれると、コミュニケーションのバランスが崩れ、相手に大きなストレスになり、いい答えが導き出されません。また、これも途中で思考停止が起きますので、成果の出る仕事につながりません。

 最後に、答えの出ない質問も地雷となります。戦略的にわざと相手を困らせるために使うケースはあると思いますが、通常の仕事をしている中で、答えがない質問を問いかけるのは無意味で、相手に負担をかけるだけです。

 例えば、将来どうしようと悩んでいる女性社員から相談を受けた際、「で、将来どうしたいの?」などと聞いてはいけません。どうしたいか分からないから聞いているのです。分かっていたら聞いてきません。その場合は、「2年後結婚していると仮定して、今の仕事は続けられると思う?」など、限定的な質問を重ねていき、本人がどういうところで悩んでいるのかを見つけた上で、解決策を本人に考えさせるような質問をしたほうが建設的です。

 質問は、「思考させて」「答えを探し」「アクションにつながる」という大事なツールです。目的の設定、下調べ、質問のフレームワークで質問を作るという3つのステップを経ることで、誰でも適切な質問ができるようになります。是非、試してみてください。

 (この記事は日経ビジネスオンラインに、2015年4月13日に掲載したものを転載したものです。記事中の肩書きやデータは記事公開日当時のものです。)

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