質問には6つの種類がある
質問の目的を明確にし、目的に沿って下調べをしたら、いよいよ質問を作ります。このときに、質問を作る枠組みがいろいろとあるので、その枠組みを使うと、スムーズに質問を考えていくことができます。また、自分が質問を作る際に、抜けもれなく考えられているのかをチェックできます。
私がよく利用しているのは、哲学の立場からクリティカル・シンキングを研究したR.W.Paulのソクラテス問答法の中に定義されている6つの質問です。こちらをよく使っているのは、英語圏の人が知っているフレームワークのため、英語で質問するときも同じパターンが使えるからです(出典: Richard Paul, Critical Thinking: What Every Person Needs to Survive in Rapidly Changing World, Foundation for Critical Thinking, 1993)。
- 明確化を求める質問
あなたの意見の一番のポイントはなんですか?
○と×はどのように関連していますか?
- 推測・仮定を探索する質問
- 理由と論拠を探索する質問
あなたの考えを変えるものがあるとしたらそれは何だと思いますか?
- 視点に関する質問?
それに反対する人は何というでしょう?
どうして××ではなく、○○なのですか?
- 含意と因果関係を探索する質問
あなたは○○ということで××を意味しているのでしょうか?
それが起こったら、結果として何が起こりますか?それはなぜですか?
- 質問に対する質問
この問題はどうして大切なのでしょうか?
この質問に対して何かを評価することが必要でしょうか?
私は、部下に対して使う場合は、4)視点に関する質問や、6)質問に対する質問をよく使っています。それ以外に、考えさせるための質問として、「どうしたらもっとよくなるか?」「あなただったらどうやるか?」という質問をよくします。
逆に、会社のマネジメント層にアプローチする場合の質問は、視点に対する質問が多いです。理由は、当事者は視点がどうしても近くなりすぎるので、複眼的な視点を求めていることが多いからです。経営コンサルタントを使っているマネジメントの多くは、第三者の視点で相談できる人を欲しているため、その観点で質問ができれば、社内で使える人と自分を位置づけられます。
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