徹底的に下調べをして、「刺さるポイント」を見つける
第一ステップで設定した目的を達成するために、下調べをします。今回は、普段の何気ない質問ではなく、きちんと成果を出すための質問ということを前提にし、徹底的に調査するというステップを入れています。ここは、「成果を出したい度合い」で、手抜きも可能なステップですので、第一ステップで設定した目的達成の度合いを考えながらやってください。
全社会議や部門会議でトップマネジメントや上司に自分を印象付けたい場合は、社史を入手し、できるだけ遡ります。年表を作りながら(すでにある場合には、年表にメモを取りながら)、いつ、誰がリーダーのときに、どんな転換期があったのか。会社の歴史をひも解いていきます。
新商品の投入、ビジネスモデルの転換、本社移転などといった「変化」がキーワードです。そして、「なぜ、リーダーはそのときに、その判断をしたのか?」「他にどんなやり方があったのか?」「このやり方をしなかったら、どんな結果になっていたのか?」と自問自答しながら、社史を読み進め、そのヒントとなるようなことを書き出していきます。このメモをベースに、現在のリーダー層に対して、今見えている変革と、過去に起きた変革との違いについて質問を作るというのが、私の常套手段です。
こうすることで、会社の歴史をしっかりと理解していることが上層部に伝わります。その上で、会社の今を考えていることが分かる質問というのは、トップマネジメントに「できる」と思わせるポイントになるのです。
質問をする相手が、著書などを出している場合は、それらもくまなく読みましょう。
会社の歴史の中で変わってきている価値と、今のリーダーが持っている価値はどこが同じで、どこが違うのか。何を大切にして仕事をしているのか。プライベートの部分を出しているか、出していないか、などを詳しくチェックしていきます。
仕事だけでなく、プライベートの側面まで、情報収集していきます。全体会議や社内講演会などでは多くの人が質問します。その質問が、仕事の側面に寄っているようであれば、敢えて、プライベートな質問を投げかけてみるのです。場の雰囲気を読んで、堅い球ばかりでなく、柔らかいボールも投げたほうが印象に残るという場合にのみ可能な手法です。そのために、プライベートの情報も収集しておくのです。
社外の人や少人数でのインタビュー形式の場合は、仕事関連の堅い質問を9割、プライベートに関する質問を1割というように、織り交ぜて聞くようにしています。ずっと緊張感が続くような空気を作るのではなく、ふっと場が和むようなそんな質問ができれば、評価が上がるのは間違いありません。
上司や部下に対する質問のための準備は、その人となりを知ることからスタートします。どんな部署にいて、誰とどういう仕事をしてきたのか、どんなことに悩んで、仕事にどんな価値観を持っているのか。普段からパーソナル情報をまとめておきます。私の場合は、スタッフ一人ひとりのファイルを作り、年間評価と共に、本人や人から聞いた話をメモとして残してファイリングしてあります。そうしておくことで、その人がどんなサポートを仕事で得たいか、私はその人のためにどんな付加価値がつけられるか考えられるからです。
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