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 私が以前、GEに勤めていた頃、新年度の始まる時期に、リーダーシップ・プログラムの参加者から「どうやったらいい質問ができるようになるのでしょうか?」という質問を頻繁に受けていました。

 この時期には、全社ミーティングや部門会議をはじめ、トップマネジメントと接触する機会が多くなります。こういったときこそ、「いい質問をしている。あれは誰だろう?」と、興味を持ってもらい、覚えてもらうのに絶好の機会です。

 参加者は常に、上司やメンターから「全体会議があるなら質問をしろ」と言い続けられていますから、「どうやったらいい質問ができるようになるんだろうか?」と考えるわけです。

 これは個人的な経験ですが、男性社員の場合は、シニアマネジメントの人に積極的に質問したり、よりいい質問の仕方をメンターに聞いたりして、自らどんどん学んでいく人が少なくありません。一方、女性社員の多くは、「目立ちたくない」「バカなことを聞いて、恥をかくよりも、黙っていた方がいい」と考えてしまい、なかなか質問に発展しないケースがとても多いように感じます。

 そんな女性でも、一対一の対面の場や、親しくしている人には、きちんと質問ができています。そこで、なぜ自信が持てないのでしょうか。

 探ってみると、「質問する技術がない」ことが大きな要因になっていることが分かりました。会議でも、仕事の現場でも、質問をする機会はたくさんあるのに、「どんな人に対しても適切に質問をする技術」にまで落とし込めていないのです。それゆえ、いつまでたっても、親しい人以外には「これを聞いてもいいのだろうか?」という不安を感じてしまい、質問できずにいるのです。

 「質問力」という言葉が話題になったように、適切な質問をするのは一種の才能と考えている人が多いように思いますが、それは正しくありません。適切な質問をするのに必要なのは、創造力ではなく「テクニック」です。やり方が分かれば、自信のない女性でも効果的な質問ができるようになります。そして、マネジメントに覚えてもらったり、上司に動いてもらったり、部下により仕事をしてもらえるようになったりします。

私も質問は苦手です

 正直言いますと、私も質問は得意ではありません。不特定多数の人が参加する講演会などでは、事前に主催者からサクラを頼まれていない限り、質問をすることはありません。

 しかし、仕事を遂行する上では、きちんと質問しなければならないシーンが必ず出てきます。ここぞというときにきちんと質問できるように、いろいろと勉強をした上で準備していった結果、躊躇なく質問できるようになりました。

 女性社員が多く抱える「目立つということに対する不安」への対応策は別の機会にご紹介します。今回は、「バカだと思われない人を動かす質問力」について詳しく見ていきましょう。