研修の短期化と「OJT」が新人を追い込む

「新人にそこまで気を使っていられるか」と思う方も多いでしょう。

渡部:本来、新入社員のケアや早期退職防止は会社の役割です。かつては多くの企業で数カ月の新入研修がありました。合宿などで同期の絆を深めてから、職場に配属されるのです。だから、配属先での悩みをお互いに打ち明けられる仲間がいました。

 それが最近はOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が増え、コスト削減もあって最低限のマナーや知識を教えるだけで現場に任せてしまう。職場の上司や先輩も忙しいので、新人に配慮する余裕がないのが現実でしょう。

 職場の上司や先輩、社長からいきなり「自立しろ」と脅されるような環境にある会社ほど、新入社員が早く辞める傾向があるようです。研修を短くして数百万円のコストを削減できたとしても、その結果として新入社員が1人でもすぐにやめてしまったら、損失の方が大きいはずです。

 最近では若い社員に対して「グローバル化」「即戦力」とプレッシャーをかけるような企業が増えています。それとは別の視点で、新入社員など若い世代の早期離職を防ぐための態勢をどう構築すべきかを、社長や人事部門がもっと意識すべきではないでしょうか。

 (この記事は日経ビジネスオンラインに、2014年4月1日に掲載したものを再編集して転載したものです。記事中の肩書きやデータは記事公開日当時のものです。)

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