直井:所長~、「イソップでよろしくお願いします」って何ですか?

平野:イソップ? 何の話? イソップ物語のこと? それとも『スクールウォーズ』?

直井:うちのウェブサイトの制作管理をお願いしている制作会社さんから来たメールに、「お返事はイソップでお願いします」って書いてあるんです。

平野:う~ん? また何か誤解していそうだな。メールを見せてごらん。

直井:これです。

平野:直井さん、イソップじゃなくて「ASAP」だよ。英語で「As Soon As Possible」、つまり「できるだけ早く」の意味だね。お返事はできるだけ早くください、と言っているんだよ。

直井:そんなの分かりませんよー。有田さんからのメールは、ところどころに英語やら略語やら専門用語やらが混じっていて、時々よくわかりません。まさに、「ギロッポンでシーメールーメー」状態です。

平野:何だそりゃ? 呪文?

直井:違いますよー、有田さんは「六本木でご飯。メールください」を「ギロッポンでシーメールーメー」って言うようなテレビ局のプロデューサーのイメージなんです。子供の頃にテレビでよくやっていませんでした?

平野:六本木をギロッポンって……トレーナーを肩からかけている感じの? 直井さん、例えが古過ぎないか? でも、自分たちにしか分からないような業界用語、専門用語、略語をやたらと使ってメールを書く人は意外に多いね。

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 ASAPもFYIと同じく、メールなどでよく使われる略語だ。受け取った側が意味を理解できなければ、それを調べる手間が発生する。そんな時間がない場合は、メールをしばらく放置してしまうこともあり得る。送り手は「早く返事が欲しい」と考えて略語を使ったのに、逆効果になりかねないわけだ。

 もう1つトラブルの火種になるのが、専門用語が業界によって異なる意味を持つ場合。代表的なのが、「デフォルト」という言葉だ。

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