ネットワーク事業は数年後爆発する
ネットワーク事業だけは本社直轄にしていますね。
今後5年間でよりネットワーク化が進めば、私の造語ですが収穫逓増ならぬ“ロウ・オブ・エクスポーネンシャル・リターン(指数関数的に収穫が増えること)”とでも呼ぶべき法則が働くと見ています。ネットワークが発揮するパワーは、ユーザー数の2乗に比例するというんですね。50人のパワーと、100人のパワーとでは100の2乗と50の2乗ぐらい差があると。だからネットワーク事業は重要です。
ソニーではインターネット接続(プロバイダー)事業を行うソニーコミュニケーションネットワーク(ソネット)があるけれど、その会員数は50万人に達し、単年度ではすでに黒字です。売り上げの面ではすでに爆発的に拡大しています。ただ、ネットワーク事業の売り上げ規模はカンパニーにするほど大きくはないし、一方で多額の投資を必要とします。今はカンパニーとして独り立ちさせず、本社直轄にしようということです。
これから、カンパニーごとに給与体系や人事体系にも違いを出していくのですか。
どんどん違っていくと思いますよ。将来、評価と報酬とを連動させると決めたのは、横並びの給料をやめたという宣言です。だから、儲かるビジネスモデルを作って、実行してくれた人には、当然、差を付けて報います。
大賀さんは最初にカンパニーを作った1994年からそうしようとしていた。ヒラの取締役だった僕は「いくら何でも時期尚早だ」と言ったんです。でも、もうそろそろ実行できる環境になってきたんじゃないですか。
以前、ソニーは経営のモデルとしてゼネラル・エレクトリック(GE)を挙げていましたが、今回の組織改革ではどこを意識しましたか。
一番研究したのはスウェーデンのインベスターABです。通信のエリクソン、家電のエレクトロラックス、重電のアセア・ブラウン・ボベリ(ABB)などを傘下に抱える持ち株会社ですね。傘下に30人程度の経営のプロがいて、状況次第で彼らをグループ企業に派遣できるわけです。アクティブ・インベスターという言葉も、パーシー・バーネビック会長がしばしば使っています。
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