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 各国の思惑が交錯する6カ国協議が今後どのように進展するのかは不透明だ。しかし、丹東は協議終了後に向けて既に動き出しているように見える。中国と北朝鮮、韓国の関係強化による貿易や投資の拡大を見越したインフラ整備が始まっている。

 「丹東市臨港経済区」と銘打った、大規模な再開発計画が象徴的だ。3万~5万トンの貨物船が停泊できるバース14個を持つ港を中心に、工場地帯や物流倉庫、居住区などを含めた約200km2が対象区域になっている。

 経済区のパンフレットでは、中国東北部と、北京や天津、大連などの渤海経済圏、そして朝鮮半島から日本の九州までの3大区域の結節点が丹東、という表現をしている。あたかも北朝鮮がこの地域一帯の自由貿易圏にあって、近い将来、朝鮮半島の交通インフラも中韓、日中などの貿易で使えるかのようなイメージである。

 ただ、壮大な計画とは裏腹に、経済区の大半はまだ何もない荒れ地。細長い開発予定地を縦に貫く道路はその一部が北朝鮮との国境線に接している。川の中州が北朝鮮領の農地になっているところがあり、水が少ないと中国領とほとんど陸続きになるのである。

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緊張と協調の微妙な関係

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 味気ないコンクリート製の杭に張られた鉄条網。「国境」のイメージに近いこの場所で車を止め、北朝鮮の農地を見ていたところ、鉄条網の向こうの雑草の陰から国境を警備しているらしい少年兵2人が姿を現した。我々を見つけると片言の中国語と身ぶり手ぶりで「たばこをくれ」と言うが、近くには寄ってこない。たばこの箱を鉄条網に刺してやり、その場を立ち去ることにした。

 丹東の街で「北朝鮮」を感じさせる風景は、北朝鮮や韓国の国旗を掲げて関連の商品を売る店や、国境の川「鴨緑江」で朝鮮の民族衣装を使った記念写真の業者、そして北朝鮮レストランだろう。