冬の到来とともに、日本では新型コロナウイルスの感染者が増加している。12月12日には日本国内の新規感染者が初めて3000人を超え、政府はより大規模な対策を迫られている。
一方、日本とほぼ同じ人口規模である広東省での新型コロナ陽性者は1日数名ほど、東京と同規模の深圳ではゼロの日も多い。大規模なイベントや映画館などほとんどのサービス、会食も再開している。リモートワークを実施している会社もほとんどない。筆者は12月10~14日に深圳で開かれた中国茶博覧会に参加したが、全国から茶商が集まり、巨大ホールいっぱいの来場者が狭い茶卓を囲んで試飲しながら商談する、今の御時世では一番危険そうなイベントが問題なく開催されていた。

もちろんウイルスがこの世からなくなったわけではなく、感染対策は必要だが、生活やビジネスは日常に戻っているように感じられる。
中国では感染拡大時にほぼ全土でロックダウンが行われたが、その後、陽性者が減るにつれて「人が集まること」が段階的に解禁され、併せて陽性者を発見して追跡するための仕組みが進化してきた。現在の深圳では、1日で多くても数人の陽性患者が見つかる程度で、それ以上に感染を広げないための対策が取られている。街中やイベント会場での雰囲気は今ではかなりのんびりしているが、入国者への対応と隔離は非常に厳格で、ピリピリした雰囲気だった。
感染者を入国させないための徹底した水際対策
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1837文字 / 全文2472文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「「世界の工場」の明日」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?