スマートフォン世界4位の中国企業、小米(シャオミ)は12月9日、日本市場に参入すると発表した。中国を代表するテクノロジー企業の一つである同社は、スマホだけでなく家電なども販売しており、日本市場でも炊飯器などを売る計画だ。

 シャオミは中国では、スマホを含む様々なハードウエアを売る企業としてだけではなく、優秀な投資会社としての側面を持っている。多くのハードウエアスタートアップに投資をしたり、スタートアップと提携したりしているほか、クラウドファンディングも手掛けている。

 シャオミのオンラインマーケティングチャネル「小米商城」と提携先の製品を含めた「小米有品」には、どちらも「衆筹」というメニューがある。クラウドファンディングの意味だ。

シャオミのクラウドファンディングサイトには様々なスタートアップの製品が掲載されている

 クラウドファンディングのサイトを見ると、多くはスタートアップが開発した発売前の新製品が並んでいる。需要の予測が立ちづらい目新しい製品ばかりだ。例えば、モバイルバッテリーで発熱するコート、スマホと連動して温度がコントロールできるIoTおきゅうマシン、カメラで持ち主を捉えて自動で追いかけてくるスーツケース、といった具合だ。

 筆者もこのサイトでいくつかの製品を購入した。上記の写真にも取り上げているCOWAROBOTの自動追尾スーツケースも買ってみた。この製品は11月末の出荷予定だったが、原稿執筆時点でまだ手元に届いていない。クラウドファンディングなので予想より発注が多かった際に、順次出荷していくことになるのは仕方がない。それでも届かないことはないと信じている。

 以前の記事で取り上げた、高性能ロボット掃除機はRoborockというスタートアップとシャオミが提携して販売したものだ。

スタートアップとシャオミが協業して販売した高性能ロボット掃除機

 中国では、シャオミ以外にネット通販大手の京東集団や華為技術(ファーウェイ)も衆筹を手掛けている。先ほど衆筹はクラウドファンディングを意味すると書いたが、厳密には少し異なる。

 「Kickstarter(キックスターター)」や「Indiegogo(インディーゴーゴー)」といった欧米のクラウドファンディングサイトはプラットフォームごとに一定の審査があるものの、誰でもプロジェクトを出すことができる。ただ購入しても製品が届かないことも珍しくない。プラットフォームはプロジェクトの完成を助けない。オープンな場なのだ。

 中国の衆筹の場合、誰もが自由にプロジェクトをサイトに掲載できるわけではない。多くは、シャオミなどの大企業が、既に製品を持つスタートアップをさらに飛躍させるために、サプライチェーンやマーケティングの相談に乗り、さらには資本参加もして、自社で運営している衆筹サイトに登場させる。

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