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 「オープンソースに本腰入れる中国 政府系シンクタンクが白書を発行」では、中国の政府系シンクタンクの発行した「オープンソースエコシステム白書2020」を紹介した。ユーザー中心の非営利団体「開源社」も、中国のオープンソース開発者コミュニティーについて白書を発行している。現時点で最新版の「2019中国開源年度報告」からは、実際にプログラムを書く開発者たちの姿がうかがえて興味深い。

 リポートはクリエイティブ・コモンズの「CC BY-SA 4.0」で公開されているため、筆者は日本語訳を「GitHub」で公開した。

オンラインで公開されている「2019中国開源年度報告」(開源社 CC BY-SA 4.0)

40代以上はひとまとめでたった4%

 中国の開発者に幅広くアンケートを取ったこの白書からは、同国のオープンソース開発者の姿が見えてくる。筆者が衝撃を受けたのは年齢層だ。

 オープンソース・ソフトウエアの開発に参加しているエンジニアは圧倒的に20~30代で、合計で90%を占める。40代以上がひとくくりにされたグラフは、高齢化が進む日本ではあまり見られないものだ。

オープンソースコミュニティーの構成者の年齢分布。20代が60.4%、30代が30.1%。40歳以上はひとくくりにされて4%(開源社 CC BY-SA 4.0)

 20代が60%を占める現状でも、白書のまとめでは前年の18年の調査に比べて「30歳以上の年齢が大幅に増えて、ベテランが参加していることは良い要素」とコメントされている。つまり、以前はさらに若者ばかりだったわけだ。

 年齢や性別などの属性については、このオープンソースコミュニティーで実際にコードを書いている人たちだけでなく、今回のアンケート回答者全体のものも公表されている。

アンケート回答者全体の年齢分布、性別、学歴。こちらでも20代が圧倒的で、大学(本科)卒の男性が多いことがうかがえる(開源社 CC BY-SA 4.0)

 こちらでも20代と30代の合計は85%に達し、圧倒的だ。性別で見ると男性84%とこれも圧倒的だが、2018年の調査では女性の参加は12%とさらに少なかったようで、今回16%に増えたことが好意的にコメントされている。

 中国では女性の管理職やCEOが日本より多い印象だが、プログラマーに男性が多いのは日本とあまり変わらないようだ。