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 筆者はこの5年で、インドネシアのジャカルタ、シンガポール、中国の深センでアパートを借りて暮らしたことがある。どこの国も、日本に比べると「危ないもの」が売っているように思う。例えば、シンガポールの麺料理、ラクサに入っている貝のマリネは鮮度が怪しいことが多く、シンガポール人でもたまに避けると聞いた。

 ジャカルタでは、外資系スーパーに並んでいる中で一番安い湯沸かしポットを買った。だが、サーモスタットもスイッチも付いておらず、コンセントを挿している間はどこまでも熱くなる。湯を注いでいる最中に発熱して破裂し、ポットから煙が上がった。小規模だが爆発だ。ショックを受けて、新しいポットを買いに行くまでに数日かかった。新しいポットは日本で売っているものよりもはるかに高い、サーモスタット付きの輸入品にした。

価格は200円以下と格安だが、耐熱ガラスを使っていないため熱湯を入れられないポット

 ジャカルタで買った湯沸かしポットは論外かもしれないが、中国でも日本との安全や安心に対する意識の違いを感じることは頻繁にある。

 最近深セン市内で引っ越しをしたので、家具や雑貨を買い集める必要があった。幸い引っ越し先のアパートの近くに日系の小売店があり、日用品はそこで買いそろえることができそうだった。

 麦茶を入れるような1リットルほどのポットを買おうと思い、食器コーナーを歩き回ったが、行楽用の水筒ばかりで適当なものが見つからない。しかたがなく、割れるのが怖くて敬遠していたガラス製を買うことにした。

 ガラス製のコーナーで一番安いのを手に取った。200円を切る驚きの安さ(12.8人民元=190円ほど)だが、耐熱ガラスを使っていない。持ち手の所に摂氏60度までの表記があるが、気づかずに熱湯で出した紅茶やウーロン茶を入れたら、割れて大変なことになっていたかもしれない。

 ここは日系の店舗で、製品にも目立つ所に表示はしてある。だから、だまそうという意図はないのだろう。ただ日本であれば、耐熱の製品と耐熱でない製品は、販売後のクレームなどにつながらないよう、もっと分かりやすく表示するだろうと思った。結局、値段が3倍ほどの耐熱ガラスのポットを買うことにした。

深センの電気街で売られているアクションカメラ。見た目はそっくりだが、映りは全く違う

 上の写真のアクションカメラ2台は、どちらも深センの電気街で買ったものだ。左は3000円、右は700円ほど。同じような化粧箱に入っていて、外装ではほとんど区別はつかない。だが、電源を入れてみると、どう見ても価格が高い方の画面がきれいだ。2つの製品を分解してみると、2台は全く異なる設計と部品で作られていて、性能も当然大きく差がある。