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 6月20日から22日まで、深セン国際UAV EXPO(Shenzhen International UAV EXPO)が開催された。同EXPOは中国で最大級のドローン関連の展示会で、2019年で4回目となる。UAVはUnmanned aerial vehicleの頭文字を取ったもので無人航空機を意味する。

 今回は出展者の増加が落ち着く一方、各社が開発するドローンは高性能化し、サービスと一体になった製品も開発されるなど、新技術の社会実装がさらに進んでいることが実感できた。まさに「深センでの1週間はシリコンバレーの1カ月」と呼ばれるダイナミズムだ。

2019年6月20日~22日に開かれたShenzhen International UAV EXPO

 2010年ごろから玩具として普及が始まったドローンは、産業用途でも市場を広げている。当初はフランスのParrotや米国の3D Roboticsなどが代表的な企業だったが、その後、深センに本社を置くDJIに代表されるように、珠江デルタ地域、さらには中国各地からドローン企業が続々と生まれ、今では中国製ドローンが圧倒的なシェアを握っている。

 まだ産業としての歴史が浅いことから、ドローンの用途が定まったとは言いづらい。現在は撮影や検査など「空飛ぶ目」としての活用が多い。ドローン産業の黎明(れいめい)期と言える2012年のDJI Phantomシリーズの紹介ビデオでは、「どのような目的で使うか」よりも「安定して飛ぶ」ことが強調されていた。

 同社が撮影用のジンバル(カメラのブレを抑えるスタビライザー)付きドローンを開発して以降、撮影用途を中心に産業分野でもドローンの普及が加速した。日本貿易振興機構(ジェトロ)や米国の調査会社ガートナーなどがドローン市場の成長について統計や予測を発表しており、2016年以降も年間20~35%程度の成長を続けている。

 UAV EXPOのほかにも、深センのコンベンションセンターでは多くのAI(人工知能)やロボットの展示会が開かれており、そこでも数多くのドローンが展示されている。ここ1~2年は新しい会社を見かける頻度が減り、各企業が自社の得意なサービスと組み合わせて製品を高度化していることが分かる展示が目立つ。

 DJIのように中国国内だけでなく海外でも製品を販売している会社は、需要の大きい屋外撮影用の汎用ドローンを開発している。一方、中国国内を中心にソリューションを提供している各社は、ドローンとサービスを組み合わせた製品を開発している。

DJIも汎用製品に加えて、農薬散布用の大型ドローンなどを展示していた。中国国内ではドローンによる自律飛行で最適な農薬散布を行うシステムが利用できる。