中国のアリババ集団は7月17日から25日まで、上海で淘宝造物節(タオバオ・メーカー・フェスティバル)を開催した。タオバオ・メーカー・フェスティバルは2016年から開かれており、小企業や個人がビジネスをすることを支援するためのイベントだ。出展者も趣味的・オタク的な小企業が目立つ。
アリババ創業者ジャック・マー氏はインタビューで「中国の人たちがビジネスをすることをサポートする」と語っている。傘下のアントグループが手がけるアリペイや、BtoBのECプラットフォームであるAlibaba.com、BtoCのプラットフォームである淘宝(タオバオ)も小さな企業や個人のビジネスを手助けするサービスだ。

趣味性の強い製品・サービスを売る新たなビジネス
淘宝は服やスマホなどあらゆるものを扱うECプラットフォームだが、タオバオ・メーカー・フェスティバルは、その中でも独自性の強いニッチな商売に焦点を当てている。

上の画像はタオバオ・メーカー・フェスティバルで展示されていたは猫の爪とぎ板だ。ノートパソコンの形状なので、まるで猫がパソコンを使っているように見える。色も広告も米アップル製ノートパソコンを意識しているジョークグッズだ。値段は59元(約1000円)と、同種の一般的な製品よりも高額だが、面白い製品だと思う。
タオバオ・メーカー・フェスティバルは、こういった「これまでなかったような面白い製品」に光を当てている。ファッションや玩具、ペット用品、フィギュア、ハイテク製品など、様々な分野で趣味性が強い製品が展示されている。

筆者はタオバオ・メーカー・フェスティバルに何度か参加しているが、今年はこれまでよりもさらに「趣味性」「オタク向け」が強調されていた。会場は次世代モビリティーを手がけるNinebotなどの大企業とマニア向けのショップが融合していた。
中国の経済や社会が成熟し「良いものをより安く」というニーズだけでなく、多様なニーズが生まれてきている証だろう。中間層以上の人たちは大量生産でないものを求め始めている。
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