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フォルクスワーゲングループにランボルギーニがある意味

 アヴェンタドールは年間数千台以下といった限られた生産台数の、クルマという複雑なハードウエアだが、市場として成り立っている。そして現在のランボルギーニは世界有数の自動車会社グループであるフォルクスワーゲンの傘下にあり、グループの中にランボルギーニのようなエッジの立った会社があることに意味があるから、特殊な市場に向けてスーパーカーを造り続けることができている。

 岩佐氏が代表を務めているShiftallは、ベンチャーとしてさまざまな製品を手掛けてきた知見を生かし、パナソニックの製品開発への協力に加えて、集中力を高めるハードウエア「WEAR SPACE」やビールの宅配サービスと協働する冷蔵庫「DrinkShift」など、エッジの立ったハードウエアを開発する会社だ。

 「ここ15~20年で、日本の大手製造業からは、エッジのきいた商品と、小ロットのハードウエアを市場に投入してみて結果を見るというアプローチが見られなくなった」と岩佐氏は語る。そうしたカルチャーはもともと日本の製造業の中にあった。岩佐氏がトークで例示した「W-ZERO3」や「ガリレオ」(シャープが発売したレコーダー)といったエッジの立ったハードウエアは15年近く前のものだ。日本の家電メーカーも、特に20~30年前もしくはそれ以上前のバブル期の頃は、各社小ロットのとがったハードウエア製品を作っていたという。

 シリコンバレーではソフトウエアのビジネスに比べて、「Hardware is hard(ハードウエアは難しい)」といわれる。どういう形でビジネスに関わるにせよ、製造という工程を視野に入れないわけにはいかない。

 実は2008年の「CEREVO CAM」は、製造で藤岡氏が協力していて、そのときのパートナーシップが今回のイベント登壇につながっている。岩佐氏は講演の後半部分では、独自のハードウエアを小ロットで製造するための工夫などについても語っている。