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 ShiftallのCEO(最高経営責任者)を務める岩佐琢磨氏は日本のハードウエアスタートアップの草分け的存在だ。2008年に創業したCerevo、2018年に創業したShiftallと一貫してハードウエアベンチャーの代表として、製品開発を手掛けてきた。前回登場した藤岡氏はアジアをベースに製造に携わってきたが、岩佐氏は日本をベースに製品企画をしてきた。もちろん藤岡氏の話にも日本や製品企画の話が頻繁に登場し、常に視野に入っているように、岩佐氏の話にも常にアジアや製造の話が登場する。

 2008年創業のCerevoの第1弾製品は「CEREVO CAM」(ソフトウエアアップデートにより「CEREVO CAM live!」となる)という、常時ネットワークに接続し、配信ができるカメラだった。IoTという言葉がまだ一般化する前の製品だったが、

・常時接続

・インターネット上のサービスと協働して動作する

・単体のハードウエアとして動作する。パソコンの周辺機器ではない

といった、後にIoTと呼ばれるハードウエアの典型となる機能を備えていた。今では当たり前になっている動画のインターネット配信のためにゼロから作られたハードウエアだ。

 インターネットでの動画配信は大きなビジネスとなり、その後Cerevoはより配信に特化したハードウエア「LiveShell」を開発する。撮影は一般のビデオカメラ等を使い、高画質で安定したインターネット配信に特化した「LiveShell」シリーズは同社を代表するヒット商品となり、今も新製品の開発が続いている。

 岩佐氏はパナソニックの出身で、現在経営するShiftallもパナソニック100%出資のグループ会社となっている。大企業グループ内でエッジの立ったハードウエアを開発することについて、岩佐氏はランボルギーニのアヴェンタドールというスーパーカーを例に説明する。