中国の新型コロナウイルス対策として知られているのが、ITを活用した健康コードと行程カードである。健康コードはPCR検査の履歴を表すもの、行程カードは携帯の基地局データを基に、過去の移動履歴が都市レベルで表示されるものだ。健康コードは省ごとに管理されている。筆者は広東省深圳市に住んでいるので、通常使うのは広東省のコードだ。


2つのコードは利用されるシーンが少し違う。どちらもイベントの入り口や企業の受付などで提示を求められるものだが、日本から中国に戻った2020年12月ごろは、深圳の感染は完全に落ち着いていたため、外部からの出入りを示す行程カードの提示を求められることが多かった。
感染者が多い都市を訪問していると赤で表示
行程カードのスマホアプリは、感染者が多い都市を直近14日以内に訪問していると色が変わる。アプリの説明によると、色を変える際の定義も変更されるとあるが、この半年ほどはこの定義で行われているようだ。
2021年4月11日時点で確認した色が変わる際の定義は以下の通りだ。
画面全体が赤:最も危険であることを示すが、現在は使われていない。過去の訪問履歴に感染者が多い地域がある場合は、その都市名のみ赤く表示される。
画面全体がオレンジ:新型コロナの陽性者、もしくは濃厚接触が疑われる人
画面全体が黄色:国外から来たばかり
緑:それ以外の状態
深圳の感染状況は2020年夏以降、ほぼ落ち着いているが、2021年2月の春節の長期休暇が開けてイベントなどが再開した3月以降は、それまでの行程カード提示と異なり、半ば義務化されたように健康コードの表示を求められる回数が増えた。
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