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さらに広がるオープンイノベーションの活用

 もちろん、どこでもどんなときでもオープンイノベーションが有用というわけではない。「生兵法は大けがの基」という言葉の通り、医療分野へのDIYの適応は慎重にやるべきだ。米マサチューセッツ工科大学(MIT)のサイトには、「個人的に制作した防疫用品を医療目的に使うのはやめよう。ガバナンスするためのチームとガイドラインを作ります」という趣旨の告知が出ている。アリババであれMITであれ、医療用ハンドブックの制作など深いレベルで医療にコミットするには、そのためのオーガナイズが必要だろう。

 Code for Japanの他、日本のシビックテックコミュニティーが蓄積している「貢献の方法」などのドキュメントは効果的なオーガナイズだ。Code for Japanは「シビックテックに参加する10の方法」というドキュメントを提供している。ここ数週間で1500名以上が新しくCode for Japanのチャットルームに参加し、現在は2000人を超えている。

 このようなオープンイノベーションを進めている人たちの思いは、国境を超えても変わらない。前述の新型コロナ対策ハンドブックの冒頭には次のようなメッセージが掲げられている。

 「今回のパンデミックは、グローバル化された人類が共に立ち向かう戦いです。今こそ、この戦いに勝利するために、リソースや経験、また得られた知見を分け隔てなく共有しなければならないと考えています。パンデミックを抑えるのは互いを避けることではなく、協力し合うことだからです。この戦いは始まったばかりです」

 今回のCOVID-19との戦いは、多くの人にとって社会との関係を変えるきっかけになっている。我々は世の中を良くしていくために協力できることがまだまだたくさんある。