高い経済成長が続いてきた中国では、中間層が増えている。クレディ・スイスのThe Global wealth report 2020によると、100万ドル以上の資産があるミリオネアの人数では米国が2021万人、中国が578万人、日本はその半分強程度だ。しかし、世界の上位10%に当たる1200万円以上の純資産を保有する人になると中国と米国の人数は逆転する。
中国の1人当たり国内総生産(GDP)は日本の25%程度であるにもかかわらず、スマートフォンや家電製品などを積極的に買うような中間層(中国国内では富裕層)の市場で、中国は今、世界一である。
かつての中国向け家電製品などは欧米や日本向けから機能を省いてその分価格を安くしたものばかりだったが、そうした傾向はもう過去のものになりつつある。米アップルは2013年発表のiPhone5Sから中国市場を意識したゴールドを追加し、テスラは中国に工場を開設した。中国は今、高級家電についても巨大市場になっている。
市場が成熟しつつある証し? 「オカルトオーディオ」も登場
日本の老舗オーディオメーカーSTAXを傘下におさめている北京のEdifierなど、中国からも有名な音響メーカーが登場している。市場成熟の証しとでも言うべきか、中には効果がはっきりしない「オカルトオーディオ」のような製品も市場に出てきている。
2011年創業で、中国の湖南省郴州市に本拠を置く「UFEEL高級音響実験室」は、音質が向上する様々なオーディオアクセサリーを販売している。
例えば上の「USB音質アップグレード機」は、コンデンサらしき何らかの部品が載っている。USBの空きポートに挿すことでシステム全体の音質が向上するという。通販ショップのサイトに「雑音が減りました!」というコメントが寄せられている。重ねて説明するが、この「USB音質アップグレード機」で何らかの出力や変換を行うのではなく、ポートに挿すだけだ。
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