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(写真:PIXTA)

 東京都は3月4日、新型コロナウイルス感染症対策サイトをリリースした。このサイトが画期的なのは、Code for Japanというプログラマーたちの非営利団体が発起人となって、さまざまな立場のプログラマーたちがオンライン上で協力して開発された点だ。制作の音頭を取ったCode for Japanの関治之さんのツイートを見ると、3月1日ごろに開発を始めたようだ。

 同サイトは十分に分かりやすい。短期間で作られたものなので、「Facebook」や「Google」のように大勢の開発者が長い時間をかけて作り込んできた大システムと比べられるようなものではないが、社会の役に立つすばらしいサービスだ。

公式情報を見やすく、ほぼリアルタイムの更新で提供する、東京都の新型コロナウイルス対策サイト

 このサイトのプログラムは「GitHub」上で公開されている。GitHubはプログラムの置き場で、エンジニアたちが共同作業をするために使うサービスだ。共同作業という点では「ウィキペディア」などとちょっと似ている。

 GitHubは1つのシステムをみんなで協力して作るために「誰がどの部分を開発しているか」や「残っている問題が何か」などを分かりやすく自動で表示してくれる。それにより、

  1. 「僕が英語版への変換機能をつけてみた。変換は機械翻訳だ」
  2. 「俺はそれを改良して、もう少し自然な翻訳をいくつかのページに追加した。自分の翻訳が間に合っていないところに、Aの機械翻訳が出るようにしている」
  3. 「スペルミスをなおしたよ」

といった形で共同作業が可能になる。

GitHubは上記のような画面で、「新しい要望と残っている要望、誰が問題解決したか」などを自動でまとめてくれる

 こうした共同作業を実現するには以下の条件が欠かせない。

  • どのようにプログラムができているかがすべて公開されている(そうでないと問題の原因の発見も修正もできない)

  • 成果や成果物を独占しない(そうでなければ、見返りの分配や貢献のカウント方法、責任の所在などについて先に決めないと問題解決に取りかかれない)