中国のオープンソースアライアンスの開源社は2月27日、オープンソース関連の採用情報を集約して公開し始めた(リンク)。ページにはアリババ集団、華為技術(ファーウェイ)、OPPO、京東集団(JD.com)など中国を代表するテクノロジー企業が並ぶ。どの会社もオープンソース方式の開発を推進することで自社のビジネスをさらに成長させようとしている。
ソースコードを公開し、適切なライセンスを設定して、開発に参加するための方法を広く公開することで多くの人を巻き込んで共同開発を行うオープンソースソフトウエアの方式は、様々なソフトウエアで使われている。米グーグルのAI(人工知能)フレームワークTensorflowも、米マイクロソフトのプログラミングエディターVSCodeもオープンソース方式を採用し、ソフトウエアをより多機能・高品質に、かつ広く使われるようにしようとしている。そうした会社で働いているエンジニアが、フルタイムでオープンソースソフトウエアを開発していることは珍しくない。
これまでは利用者としてオープンソースの世界に関わることが多かった中国のソフトウエア業界も、高度化に伴って自社のソフトウエアをオープンソース化し、開発コミュニティーを作る会社が増えてきている。
プロデューサーとエンジニア、両方の役割が求められる
その中で中国の代表的なオープンソース推進コミュニティーである開源社(非営利団体)は、オープンソース関連の人材採用情報を提供し始めた。人材を募集しているのはファーウェイやOPPO、アリババ、JD.comといった中国を代表するテック企業だ。
画像処理チップや画像関係のAIを手掛ける杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)は「オープンソースに関するコンプライアンスをリードする人材」を求めている。仕事内容は以下の通りだ。
- ハイクビジョン全体のオープンソース戦略をアップデートし、各部署と連携する
- ハイクビジョン内のソフトウエアに対してオープンソース化を行う。適切なライセンスの設定や共同開発方法の設計など
- オープンソースの共同開発に見合ったツールの指導、ルールやガイドラインのトレーニング
- オープンソース関連の最新情報について情報収集し、社内に告知してほしい
上記のように開発方法そのものを決めるアーキテクト的な役割に加え、プロジェクトマネジャーやプロデューサー、あるいは広報や研究者的な役割もあり、幅広い権限と職責があることがうかがえる。
求められるスキルも以下のように多岐にわたる。
- 自分自身がソースコードを書く、他人のソースをレビューするなどのプログラマーとしてのスキル
- ソフトウエアの品質について定量的に分析したことがある
- これまでオープンソースのプロジェクトを主導や協力して多くの人を巻き込んで実現した実績がある
- プロジェクトを推進する交渉力などを含めた推進力がある
- オープンソースの文化になじんでいること
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