シリーズ
酒井吉廣の「2020年米大統領選」〜トランプ再選を占う

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トランプ弾劾にこだわる米民主党の危機
12月18日、米議会下院はトランプ大統領に対して、権力乱用と議会妨害の2つの弾劾決議を可決した。ただ、ペロシ下院議長が弾劾裁判に踏み切った際に予想した共和党の分裂は起きず、逆に民主党から造反者が出るなど民主党の思惑通りに…
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弾劾公聴会の不調があぶり出す米民主党の内部分裂
11月20日、第5回民主党大統領候補討論会が、米ワシントンDCと時差のないアトランタで開催された。ギャバード候補の党内批判や弾劾公聴会の不首尾で混迷し始めた民主党はどう収拾をつけようとしているのだろうか。「船頭多くして船…
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トランプ弾劾が呼び込むブルームバーグという難敵
ブルームバーグ前ニューヨーク市長が民主党から大統領選挙に出馬する可能性が浮上している。本人の意思はまだ明確にされていないが、ブルームバーグ氏が出馬を検討している理由として3点が指摘されている。
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政治ショー以上にはなりそうもないトランプ弾劾
10月31日、米下院はトランプ大統領に対する弾劾調査の手続きを定めた決議案を可決した。この決議を受けて、11月5日には、下院情報特別委員会が駐EU大使の非公開証言記録を公開した。だが、現段階ではトランプ大統領の弾劾が成功…
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超リベラルに米民主党が染まる必然
2016年の米大統領選で、クリントン候補がサンダース候補を味方に取り込んでいれば、人気投票で300万票の上積みが可能になり、選挙人の獲得数で本選に勝利したという見方は民主党の選挙対策メンバーの中では根強い。ウォーレン上院…
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大統領選の勝利を後押しする「アメリカ・ファースト」
結局のところ、トランプ大統領のアメリカ・ファースト政策は、内外から感情的な批判を受けつつも、今のところ全ては来年の大統領選挙に向けての支援材料になっている。
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米民主党に差別撤廃は可能か?
第3回民主党大統領候補討論会が開催されてから約2週間が過ぎた。米大統領選の争点は経済、移民、ヘルスケア(医療保険)、気候変動の4点に絞られつつあるが、民主党ではもう1つの争点が浮上している。米国の古くて新しい問題「黒人差…
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民主党討論会で明るみに出た米保険会社の“嫌がらせ”
今回の民主党大統領候補討論会では、もう一つのヘルスケア問題が取り上げられた。保険料が高いという問題もさることながら、保険会社が、契約に基づいて、治療をカバーするために十分な保険金を必ずしも支払わないという問題である。
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対トランプの「勝利の方程式」が描けぬ民主党
民主党の大統領候補争いでは、各候補の政策にリアリティがないこともあり、トランプ大統領が率いる共和党に対抗できるような状況にはなっていない。気候変動問題はトランプ大統領に対抗できる数少ない政策のひとつだが、無党派層に訴求…
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株価急落でもトランプ支持が落ちないのはなぜか
大半の米国民にとって大統領選に向けた関心事は経済であり自分の収入。経済を語らない民主党よりも、パウエル議長を責め立てるトランプ大統領の方が頼りがいがある。
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「正論」は大統領選の武器になり得るか?
7月30日と31日の両日に行われた第2回民主党大統領候補者討論会は、候補者間の政策スタンスの違いがより明確に出た。目先の利益ではなく、中長期的な課題を有権者に問いかける候補者が民主党を変えるかもしれない。
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トランプ政権の強気を支えるアベノミクス
トランプ大統領の強みが米経済の好調さにあるのは誰もが周知のことだ。現在、米中貿易摩擦の行方が不透明で、「来年の大統領選挙まで中国が結論を出さないかもしれない」とやや弱気なところを見せた同大統領の最大の期待国は日本である。
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米朝会談の裏側で中ロにくさびを打ち込むトランプ政権
内陸国のモンゴルは、北はロシア、南は中国に面しており、貿易も両国への依存度が高い。ロシアにとってはサハリンの天然ガスの輸出先、中国にとっては銅などの調達国である。ここに米国資本が本格参入すれば、極東における中ロの立ち位置…
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米民主党の大統領候補者が問う実現可能なリベラル
6月26、27日の2日にかけて開催された第1回民主党大統領候補者討論会。基本的には、どの候補者もトランプ政権で壊れたと民主党が考える民主主義の回復に主眼を置いていた。これは、米国のような民主主義の制度が整った政治システム…
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トランプ氏に勝てる候補は誰?民主党の戦いが始まった
民主党全国委員会(DNC)は昨年12月に、今後の討論会のスケジュールを発表した。今年中に6回、来年の年初から予備選で民主党候補指名への決戦段階に入るであろう来年4月までに6回と、計12回の予定である。
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世界の警察に復帰したトランプ政権の欧州・中東戦略
オバマ前大統領が、2013年9月に「米国は世界の警察ではない」と宣言してから6年が経った。この間、欧州ではロシアのウクライナへの介入、中東ではイスラム国の台頭やシリア内戦の継続など、世界レベルで見れば平和とは程遠い状況が…
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安倍外交に乗ったトランプ大統領の勝算
令和の最初の国賓としてトランプ大統領を迎え、「戦後の終了」を明確にした日米両国は、今後の同盟関係についてもこれまで以上に踏み込んだものにしたのだ。かつての「米国市場、米国の防衛の傘、米国による国際経済秩序の維持」を求める…
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見え始めたトランプ大統領の統治パターン
トランプ政権は現在、中国ほかの貿易相手国との貿易収支改善のための交渉を続けているが、その背景には、1980年代以降の経常赤字の拡大を止めないと、やがて米ドルの信認が揺らぎ米経済に悪影響を及ぼすとの懸念がある。これは、レー…