「犬笛戦術」という言葉がある。犬笛とは犬の訓練に使う笛で、人間には聞き取りづらいが犬には聞こえる高周波の音が出る。犬笛戦術は特定の人だけが分かるメッセージを出して、人々をある方向に誘導することを指す。

 今回の大統領選挙において、民主党とバイデン陣営は犬笛戦術をフルに使っているようだ。筆者は民主党関係者との関係は希薄だが、彼らの現状までの選挙活動への満足度を聞くと、犬笛戦術を使っているという印象を受ける。

 筆者は犬笛戦術の有効性分析についての論文を読んだことはないが、犬笛に似た手法として、フリーメーソンではメンバーにしか分からない形でのメッセージの交換などがなされていることは知っている。こう書くと謎めいたものを感じるかもしれないが、別の表現をするとサブリミナルメッセージである。

 では、具体的に今回の大統領選挙における犬笛戦術とはどのようなものであろうか。可能性があるものをピックアップしていく。ちなみに著名ジャーナリストがトランプ大統領の言動を犬笛戦術と評しているが、これは本稿執筆後に知った話で、また筆者はトランプ大統領のこれまでの言動は犬笛戦術だとは考えていない。

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この記事はシリーズ「酒井吉廣の「2020年米大統領選」〜トランプ再選を占う」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。