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(写真:AP/アフロ)

 10月7日、副大統領候補討論会が開催された。大統領候補によるテレビ討論会とは異なり、基本的には決められたルールを守ったものとなった。しかし、暴れん坊はいなくても、討論自体は何回か紛糾した。今回は、12あった司会者の質問に対して、どちらが真面目に、そして逃げずに答えていたかが最大のポイントだった。

 結果として、バイデン陣営がかなり左に寄っていることが明確になった。この内容については、様々なメディアで意見が出ると思われるので、本稿では、10月15日の第2回大統領候補討論会の見どころにフォーカスする。

 なお、大統領選挙委員会は、第2回の大統領候補によるテレビ討論会をオンラインで実施すると発表した。これに対し、トランプ大統領はオンライン討論会には出席しないと語り、結局中止となった。今のところ、次回は10月22日の第3回討論会となる。

急いで投票してほしいバイデン陣営

 郵便投票の問題については以前も触れているが、既に始まっている。そんな中、10月7日からの1週間で全州が選挙登録を締め切る。つまり、民主党が進めてきた郵便投票のための投票用紙の送付は、まだ2年前の中間選挙の際の選挙登録者が対象となっている。コロナ禍を理由に郵便投票を促進するという話がなければ、1回目の大統領候補討論会と次いで開かれる副大統領候補討論会を見て、選挙登録をする人がいる前提だった。

 ところが、民主党としては、超リベラルと中道の間で政策意見が合致していない上、バイデン候補の健康問題があるだけに、できるだけ早く投票用紙を郵送させて討論会の内容や、その後にサプライズとして出てくる問題の影響を受けたくない。だから支持者を急かしてきた。

 一方、共和党陣営としは、支持率で2桁のリードを許しているものの、前回(2016年)と同じ雰囲気が出てきているので、何としても投票日まで投票させず、様々な事案や問題を表に出していきたい。

 この駆け引きが、互いを蔑んだり、ののしったりする事態につながっている。ニューヨーク・タイムズの有名コラムニストも、露骨にトランプ批判をし、バイデンを礼賛するような文章を書いている。

 このままでは巻き返しが難しいと考えたトランプ大統領が繰り広げたのが、前回の記事で触れた第1回大統領候補討論会でのパフォーマンスだった。ちなみに「巻き返し」という表現を使ったが、トランプ陣営は自分たちが勝っていると思っているので、これは表面的な世論調査の支持率に基づくものだ。

 結果は、まんまと成功し、第1回のテレビ討論会の視聴者数は7300万人で史上第3位となった。ここまでは、トランプ劇場である。

郵便投票の遅れが気になるバイデン陣営