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(写真:ロイター/アフロ)

 7月30日と31日の両日に行われた第2回民主党大統領候補者討論会は、候補者間の政策スタンスの違いがより明確に出た。民主党大統領候補者討論会の概要については、拙稿「トランプ氏に勝てる候補は誰? 民主党の戦いが始まった」に書いた通りだが、今回は白人以外の5人のマイノリティー候補は全てバイデン前副大統領と同じ2日目に振り分けられた。

オバマ否定につながるバイデン批判

 前回、バイデン候補の人種差別的態度を批判してハリス上院議員は株を上げた。今回も、各候補者はバイデン候補の政策案を批判することで、民主党支持者の評価を得ようとした。

 実際の討論会では、バイデン候補を5人のマイノリティー候補と左傾化した政策を推進するデブラシオ候補(ニューヨーク市長)などが質問攻めにし、回答を避けた場合にはモデレーター(今回はCNN)が聞き直すということもあった。

 これに対して、バイデン候補は各候補による「オバマ政権=失敗」という頭ごなしの批判は否定したが、「自分は大統領ではなかった」という弁明や話題をそらすような発言で対応したため前回に続き彼の評価を下げる結果になった。

 トランプ大統領が、討論会でのバイデン候補を「寝ぼけている」などと揶揄(やゆ)するツイートをした背景もここにある。

 オバマ前大統領は、今でも全米のみならず世界中で大人気、ツイッターのフォロワーも極めて多い。オバマ前大統領が2020年7月の民主党大会や本選で応援演説をすることが切り札だと、多くの民主党員は考えている。

 だが、今回のような討論会は、オバマ政権当時の政策に瑕疵(かし)があったことを暗に認めているように聴衆の目には映る。オバマ否定につながるバイデン批判が行きすぎると、トランプ大統領と戦う本選でオバマ前大統領が切り札にならないリスクもある。