(写真:ロイター/アフロ)
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 米民主党大統領候補のバイデン氏は7月14日、4年間で2兆ドルの脱炭素社会実現のための投資をすると発表した。これにより数百万人の雇用を創出するとともに、2035年までにCO2の排出をゼロにするとした。カーター政権以来の民主党の伝統になった脱炭素政策を、オバマ大統領に続いて踏襲したのである。

 しかし、大統領選挙戦という意味では、その前週までにベールを脱いだ経済政策の中身の方が重要だと言えるだろう。

 すなわち、大統領選に関する世論調査でリードを保つ民主党のバイデン候補は、上下両院議員選挙での予備選でサンダース候補支援者が強みを発揮していることを受け、超リベラルの政策に理解を示すコメントを出していた。そうした中で、バイデン陣営は7月11日までに新大統領に就任した際の経済政策案(バイデノミクス)を相次いで発表し、その全体像がおおむね見えてきた。

 共和党陣営がやや驚いたのは、それがトランプノミクスにかなり似ているからだ。またサンダース上院議員やウォーレン上院議員らが目指す民主社会主義の要素も取り込んでいる。これがバイデノミクスの二本柱で、これに新型コロナ対応などが付随している形だ。

 世論調査では有利な結果があるにもかかわらず、トランプ政権の政策を踏襲するような発想になった背景には、それが今後の米国の経済政策の基軸となると判断したからだろう。本稿では、バイデノミクスの中身を簡単に敷衍(ふえん)する。

バイ・アメリカン政策と脱株主資本主義

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この記事はシリーズ「酒井吉廣の「2020年米大統領選」〜トランプ再選を占う」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。