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 6月22日にサウスカロライナ州で民主党大会が開かれ、23名の大統領候補者のうち21名が出席した(本稿執筆は25日)。これは、6月26、27日から行われる「民主党大統領予備選討論会」の前哨イベントである。参加した候補者の持ち時間7分のスピーチと、その後のインタビューは合計7時間を超えたが、各参加者が政治信条や目玉とする政策案を主張し、また対談相手が2004年民主党大統領候補に立候補していたアル・シャープトン氏だったこともあり、中身の濃い内容だった。民主党の大統領予備選は火蓋が切られた。

 現在、23名もの立候補者が乱立している状況だが、実際には250人以上の立候補があり、既に脱落した人も多数に及んでいる。これから立候補が予想される人もおり、水面下には今なおかく乱要因が存在している。

民主党の大統領候補として有力視されているサンダース上院議員とウォーレン上院議員(写真:Scott Eisen / Getty Images)
 

「候補者の質」を重視する民主党全国委員会

 こうした中で、民主党全国委員会(DNC)は2018年12月に、今後の討論会のスケジュールを発表した。今年中に6回、来年の年初から予備選で民主党候補者指名への決戦段階に入るであろう来年4月までに6回と、計12回の予定である。これは、2016年に共和党が行ったものとほぼ同じ内容だが、上限を20人としつつ、全参加者を公平に扱う目的から候補者が多い場合には2日間に分けるというルールを設けている(共和党の場合は、1日で2回に分けたため、討論会への出席がプライムタイムとそれ以外になる不公平さが指摘されていた)。

 DNCは候補者の質を重要視しており、討論会に参加できるのは、支持者獲得状況や選挙資金獲得状況といったDNCの基準を満たし、招待を受けた候補者のみ。また、スケジュールという面では第2回(7月30、31日)までは詳細に決めているが、第3回(9月12、13日)の2日目はキャンセルありとしており、そこまでに候補者が10人(1回当たりの最多出席者数)以下になるとDNCは想定している。

 なお、候補者同士が勝手に討論会を開いた場合は、DNC主催のこの討論会に出席する権利を失う。過去の政治経験や足元の知名度に劣る候補者が草の根的なタウンホールミーティングを開くことを禁じたのだ。これは、民主党版トランプの出現を抑えるという意図があるように感じる。

 このようなイベントを企画した理由について、DNC関係者は「この2年半、民主党は日本の野党のように敵失だけを追ってきた。今回のイベントは、米国民に政策をアピールして大統領選挙に勝つための方策」と述べている。どのような議論がなされ、効果を発揮するのか興味深い。