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 トランプ大統領の二度目の訪日は成功裏に終了した。

 大統領は5月25日(土)の夕方に到着すると、翌26日(日)はゴルフ、大相撲観戦、炉端焼きでの夕食と余暇を楽しんだ。27日(月)には今上天皇を表敬訪問した後、日米首脳会談、拉致被害者家族との面談、天皇皇后両陛下主催の宮中晩さん会への出席など精力的に動き、28日(火)は両陛下によるお別れのためのホテル訪問を受けた後、護衛艦「かが」で自衛隊・在日米軍に対して、強襲揚陸艦「ワスプ」艦上では在日米軍を前にスピーチして離日した。

 余暇の時間をどう評価するかは海外メディアによって分かれたが、これまで必要事項のみを短期間で交渉する形の外訪が基本だった大統領にとっては異例の長さと内容だった。なお、米国のメディアは、反トランプのCNNを含め、今回の訪日を訪問前から重要な事項と報道していた。

大相撲夏場所で初優勝した朝乃山に米大統領杯を授与したトランプ大統領(写真=朝日新聞社/ゲッティ)

今回の大統領訪日の歴史的意義

 今回の訪日は、今上天皇の即位後初めての国賓として日本側から招待されたものである。

 宮中晩さん会で、陛下は「1854年の日米和親条約以来の、数々の困難を乗り越え」と日米の150年を超える歴史を一つの過去として捉えるとともに、東日本大震災でのトモダチ作戦などに対する米国の協力に感謝のお言葉を述べられた。

 また、陛下は「貴国に懐かしさと共に特別の親しみを感じる」と米国を表現した一方、昭和天皇や上皇の訪米時の話題に触れて日米の親密さをアピールした。トランプ大統領は「令和」の元となった万葉集を引き合いに出しつつ、日米同盟を将来への贈り物にしようと前向きな挨拶をしている。

 ここで示されているのは、戦後および戦後外交は終わったとの意思表示である。

 過去7人の大統領の訪日時にあった「先の戦争」や「不幸な歴史」というような表現は消え、戦後生まれで皇位継承者として初めて海外留学も経験した新天皇が、同盟国である米国の大統領と新たな時代へのスタートを即位直後に宣言したのだ。当然のことながら、このスピーチ内容は両国の担当者によって事前に準備されたものだ。

 もっとも、名実ともに戦後世代となった天皇陛下や首脳がこれからどのような日米関係を築いていくのか――という本質が明らかになるのは、晩さん会のような場ではなく、日米首脳会談や共同記者会見を通してだ。