全4258文字

オバマ前大統領がバイデン氏の切り札になるか

 オーソドックスな民主党の政治家であるバイデン氏は、労働者に配慮する政策を取ってきた。黒人層に人気があるのは、オバマ大統領が選んだ副大統領として8年間、ともに働いたからで、最後には大統領自由勲章(Presidential Medal of Freedom)まで受け取っている。以前にも書いたが、バイデン氏が16年の選挙に出ていれば、ほぼ間違いなく勝てたであろう。

 オバマ前大統領は、現時点ではその政策に対する批判がかなり出てきてはいるものの、黒人を中心としたマイノリティー層の人気は引き続き根強い。サンダース氏を支持する若者の多くは、ツイッターのフォロワーという意味では、オバマ人気を支える層でもある。全米民主党委員会や黒人指導者層から見れば、この後の関心は、民主党の大統領候補指名が決まったバイデン氏に対して、オバマ前大統領がいつ支持を示すかである。

 前述のサンダース、ウォーレン両氏の支持も本戦に向けて重要であるのは間違いない。ただ、オバマ前大統領の支持は、既にケリー元国務長官やライス元国連大使など当時の閣僚級がそろってバイデン氏支持を明らかにしている中で、大統領選挙本選への勢いをつけるためにどうしても必要なエンジンなのだ。

 しかし、トランプ陣営は新型コロナウイルスの感染拡大に、寝る時間を削って対応している様子がうかがわれる。これまで以上に本戦での勝利の可能性を高めているのは事実だろう。表向きのアンケートでも、従来のバイデン有利からほぼ拮抗するところまできた。

 サンダース氏の撤退により、民主党は予備選で米国民の目をひきつけることができなくなり、打つ手が限られてきたという現実もある。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、民主党はいかに国民にアピールしていくのだろうか。